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だからペットシートだったのかと合点がいった。吐き出された潮に濡れて一史の尻の下、ペットシートが色を濃くしている。
「すげぇ、エロい。」
痩せ気味の躯の、中心、腹筋の窪んだ辺りに、尿とも精液とも違う体液がたまって、光を反射していた。
一頻りの放水を終えたチンポが上向きに仰向いたままくったりしてる。
「ひ、ん、」
指先で掬い上げ、ションベンしたあとと同じように振った。尿道口に残っていた体液がピピと跳ねて晴人のシャツを濡らす。
「一史、何でこんなエロいカラダしてんの、お前」
「あ、や、はるとさん、いた、いたひ」
問いかけながらチンポ掴んだ手に力が籠る。
どんだけ、一人でしまくってんの。
潮噴きまでしちゃうアナニストってエロすぎでしょ。
切っ掛けは、なに。
何でこの状況で勃起すんの。
なぁ、俺以外に触らせたことあんの?
「痛かった?ごめんな?」
腹に蟠った物を押さえつけて笑うと一史は安堵の顔を見せる。息を吐きながら、涙目になりながら、晴人の腕にしがみつく。
「ありがと、ございました、も、俺、充ぶ……」
「こっちは痛くないようにならしてやるから」
弛めた手を滑らせて窄まりに触れる。一史の肩がひくと跳ねて、窄まりはきゅっと締まった。
「いや、いい、です。そっちは」
「一人じゃ抜き差ししにくいだろ」
「いや、です。いらないです」
半べそで断りながらまたチンポ勃起してきてる。
じたじたと暴れる体の上に跨がり押さえつける。汚れたYシャツのボタンをはずし、脱ぎ捨てる。下着がわりのアンダーアーマーに手を掛けると一史が一瞬大人しくなった。
くきゅと。喉のなる音。
「見てんなよ、スケベ」
俺が服を脱ぐ度に、息を詰めて見ているくせにその目はそっと逃げる。スラックスを脱ぐのは面倒だ。
「ちが、」
自重で一史を押さえつけたまま横倒しになったローションボトルを握る。
「っあ、」
半量程度のそれを逆さまにして一史の腹にぶちまけた。
体液がローションに混じる。掌で被って温めて、伸ばす。
ひくひくと腹が震えている。
粘液が充分に温もった頃には一史のチンポは完全に勃起し、たらたらと涎を垂らして啜り泣いていた。
「はぁ、っ」
「俺が退いても、逃げるなよ」
一史の両足を自分の尻で押さえた状態では、一史のイリグチを充分侵すことはできない。
一史は唇を丸め込んで少し目を眇める。それに少し笑って腰を浮かせた。
瞬間、晴人の下にいた体が裏返る。四つ這いに体を這わせ、逃れようとする。
「あ、こら」
壁側に逃げた体。そうなることくらいわかっていたのだから、反応は早い。
身を翻し、四つ這いで逃げようとした足首を掴んで引き寄せる。
「んぶっ」
壁に顔を打ち付けた一史が珍妙な声を出す。
「だから逃げんなって言っただろ?」
「ひんっ!」
掴んだ足首を開かせる。睾丸の裏側も、ひくつく穴も、晴人の目に曝される。
「赤いな」
「イ、や、」
ローションで滑った指で、縁の膨らんだ肉輪に触る。ふにゅと柔く押し込まれた粘膜が指を離すと元の形に戻る。
「ヒンっ」
「縁が膨らんでる」
一史は臥したまま、畳に顔を押し付けている。やっぱり意地でも顔は見せてくれないつもりらしい。
「ンあっ!」
「指一本くらいだったら、平気で呑めるだろ」
窄まりの中心にローションで濡れた中指の爪先を含ませる。
まだ乾いているはずのそこはつぷと素直に指の第一間接までを飲み込む。
「や、や、だめ、はると、さん、はるとさん!ナカは……ッ!」
「こんな膨れ上がって充血するくらい、好きなくせに」
藻掻き出した身体に覆い被さって押さえつける。手が窮屈だし、俺の指を呑み込んだ一史の穴をみられないのは口惜しかったが、それよりも今は一史に触れたい。内部 の、内部まで。直に触れたい。
「いや、です。だめです、指が……」
鼻先に生え際の匂い。汗の滲んだ男の匂い。
「そうだな、俺の指が侵入 ってる、入り口は締め付けてくるのに、中は思ったより柔らかいんだな」
「あ、ア、やめて、やめてください」
「あ、そうか、一史はこんなんじゃたりないんだっけ?」
哀願する声が、一層嗜虐心を擽る。
メチャクチャにしたい。この柔い肉筒を俺の形に開かせてやりたい。
「いや、あ、ちがぁぁあ!」
じゅぶぶぶぶ、
中指が肉の中に埋る。ふくれた肉輪はふわふわとしなやかに指の付け根を締め付け、内壁は侵入者を確かめるようにつるりとした粘膜で柔く触れてきた。
「ひ、んっ!アあっ!ヤ、指ッ、指がぁ……」
たった一本の指が背を貫く針金であるかのように一史の背筋が張り詰める。そのさまを見ていたくてわざと真っ直ぐに伸ばした指を奥へ、奥へと伸ばす。
「いやぁ、あ、指ッ、指なのにッ」
「ああ、一史のナカ、ぬらぬらしてるな。指以外も突っ込んだら悦 さそうだ」
耳元で囁くと赤く腫れたように染まった肩がビクビクと跳ねた。
「想像した?」
「や、ちが」
「アナル を、玩具とは違う、生身の人間ので犯される。侵入ってくる」
「ふぁっ!」
ぐりと指を回して背中側に指の腹をやる。ゆっくりと曲げ、尾骨の裏側に触れる。硬いこりこりした感触は骨だ。
「この体勢だと俺のチンポが擦んのはこっち側だな」
「ヒィン!」
悲鳴に似た声が甘い。
こんなに簡単にケツ穴ファックで感じることはない。
どれだけ、一史は自分でここを慰めてきたのか。
想像だに難くない事実が晴人の腹を落ち着かなくさせる。
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