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 ただもう、欲しくて、仕方ない。  一史の奥を何度も抉る。その度に亀頭がごりと曲がる。奥をこじ開ける度に一史の腹が引き吊れる。  「ひ、ア……あぐ!あ!アぁっ!」  足裏が畳で滑る。上方へ体は逃げる。  「ひぐ、ひ、ンァ、あぐっ」  ごり、ごり、と結腸を突く度に押し出されて声が上がる。逃げる腰が次第に揺れてくる。順応が早いのは若いからなのか、経験値の高さなのか。    ちらつく焦燥が胸を焼いて、見たこともない、存在すら定かでない男に嫉妬する。  「も、あ、や……」  か細く啼く声を胸に掻き抱く。  俺だけのもの。  他の人間になんてやらない。  さわらせない。見せない。  汗ばんだ首筋に歯を立てる。肌の塩い味。噛みつくと、中が絞まる。舌の平で撫でる。また、鳥肌が立つ。  臍の上辺りで一史の性器が啜り泣いてる。  若気の至りでしかないナベルで、その頭を撫でる。  「あン、あ、」  ぶるぶると震える体。ナベルの金属が塗らされて滑る。  「ア、ア、ア、ア、」  突き上げる度に声が上がる。  もうなんにも考えられないみたいな顔をして、一史は揺さぶられてる。抉る度に壁に頭をぶつける。隣の住人はこの音をどんな風に聞いているんだろう。  いや、もう堪えることすらできていない一史の声でナニをしているかなんて丸分かりなんだろう。  「ヒ、あ!」  腹を丸めるとナベルが亀頭から離れた。滑る掌で一史の腰を引き寄せる。  「ぃ、あぁっ!」  「くぅ……!」  抉じ開けられた最奥に一史は目を見開く。見開いたまま口を開いて、びくびくと痙攣する。中が先端と、付け根とで思いきり締め付けられる。千切られそうな位キツい。  びくびくが、びくんびくんにかわって少し余裕ができる。  「ひぃっ!ア!や、あ!あ!イッ!てる、イッてる、から、ぁ!」  気遣っている余裕なんてない。自分のものにしたい対象が、今目の前で、俺に抱かれてる。その一番深い場所に自分を打ち付けてる。俺のものだって証拠をそこに注ぎ込みたい。  腹から溺死するほど注ぎ込んで、周囲から怪訝な目で見られるほど、俺の匂いを刷り込んでやりたい。  自己本意な強引さで中の肉を犯す。割り開いて、捩じ込んで引き摺って擦って奥に何度もうち当てる。締め付けられて、尿道口がくぱくぱと開閉する。  「ひぐっひっア、ア、あぁっっ!!」  イッてると宣ったくせに一史のチンコは勃起したままぶらぶらと突き上げられるに任せて揺れている。その奥で俺のが、一史の(アナ)を拡げていた。  「やぁぁ……」  力の抜けた喘ぎ。震える喉からあふれでる。  その腔に指をかける。   そっと捲り上げると充血し、艶々した粘膜がひくひくと震えていた。  「みな、ひ、で」  鼻水垂らしただらしないエロ顔で一史が呟く。力ない手が、俺の胸を押す。  見るなといいながら、その粘膜は視線に反応してじんわりと濡れているようだった。  「ひぃ、ん……」  両手の親指をあてがう。もう押さえていなくたって、一史の脚ははしたなく開脚したままだった。  「すげぇ、喰ってるみてぇ……」  「ン、ふ……」  胸を押していた両腕が交差されて一史の顔を隠す。横を向いた鼻先で啜り泣くような音が、聞こえた気がした。  「エロい」  耳元で囁いて耳穴に舌を差し込む。びくと肩が跳ねる。指で押し拡げられた肉環がぴくぴく震えてた。  「アァ!」  そこから手を放し、足首をつかむ。思っていたよりも細くて、少し不安になった。  「ア、ア、ア!」  ごっごっ、と何度も結腸に捩じ込む。一番深いとこ目掛けて駆け上る。  「は、あ、も、でる」  耳に流し込んだ言葉に一史の躯が強張る。  先刻まで顔を隠していた両腕が暴れだす。  「や、ダメ、奥は、止めて」  完全にべそかいてるその顔が可愛い。もっと歪めたい。もっと溺れさせたい。  「や、そんな、奥……アァっ!」  ぷっくりと膨らんだ乳首に歯を立てる。甘い声が上がって、中がまた絞まる。絞られる。  「だせ、ないから、ぁぁっ」  掻き出せないほど奥に、注ぎたいんだ。  それが目的なんだから、この行為を俺が緩めるはずない。根本に燻った精液の渦が、尿道を突き上げる。  「ヒぃ、んん……!」  「っ、ハぁ……」  拍動と同じテンポで吐き出す。脈打って吐き出しても吐き出しきれないみたいに奥へ奥へと射精する。  「あ、あ、キてる……せーし……キてる」  逃げようとする腰を引き寄せる。躯を震わせて、逃げ場のない一史は俺の欲望を全部腹のナカに注ぎ込まれてる。  排尿に似た解放感が腰を震わせる。一番奥に吐き出したものを塗りつけるようにして腰を前後させる。滑った感覚とひくつく内壁が俺に侵された一史をはっきり俺に実感させる。  「腹、くるしい……」  夜光を映した一史の目が揺れながら輝いていた。

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