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 なんも考えらんない頭でかふかふと息をしながら一史は俺に犯されてる。抜き差しに擦られて赤くなったアソコはピクピクしながらまだ俺を受け入れていた。  一史の腹がくるくると鳴る。  そこに掌を置く。心なし、膨れて張っている気がした。  「っ、あ」  「あぁ、また……」  出る。  溢れるみたいな射精には初めほどの勢いはない。  「あ、あ、、」  両腕で顔を覆って一史は俺を受け止める。  これで、俺のものになった、  なんて、思えるほど楽天的なら、こんな振り絞るような行為を続けてはいない。もう腰だって振りすぎてガクガクする。畳に擦れた膝が痛い。もう薄くなった体液。擦れすぎて感覚がなくなった性器。それでも侵され過ぎて柔くなった粘膜に包まれて締め付けられるとまた反射みたいに勃起する。溢れて、隙間から泡立ちながら滲み出る精液。  ーーー終わってしまうのか。  このまま引き抜いて、体を離してしまったら。この体の繋がりが途絶えたら。  全部。  終わってしまうのだろうか。  息が荒い。苦しいくらい胸が締め付けられる。息がしにくくて、ずりだした分をもう一度押し込む。一番奥に触れる。熱くて、焼ききれそうで、苦しくなる。  ーーー今さら。  今さら、後悔が滲む。一時の感情に任せた自分の愚かしさを呪う。呪ったところでどうしようもないことくらいわかっているのに呪う。  失くしたくない。手放したくない。離れてほしくない。  「はると、さん……」  「え。」  掠れて擦りきれた、一史の声。  一史の腹に置いた手の甲。筋の出張ったところに、何かが落ちて弾けた。  それは外の光を受けてガラスを砕いたみたいに輝きながら弾けた。  「う、あ?」  動揺が声の形になる。形になって、空気を揺らして霧散してく。  そんな資格、ないだろう。  汗に湿った頬を伝う、愚かな感触。止まらずに転げてく後悔の塊。  惨めで愚かしい、俺に似合いの。  「はると、さん?」  怯えた声。  掠れて震えながら俺を伺う。  踵で畳を蹴り、俺の下から、逃げようとする。  「っあ!」  その足を掴む。  持ち上げて、腰を進めて、楔を更に深く穿つ。  離れたら、逃げられる。  逃げられてしまう。  「逃がすかよ」  両足を掴まれたまま、一史の血液が引いていくのがわかった。冷たくなる足。震える肩。  「っア!や、」  「逃がさない」  直腸を侵して、うまく身動きすら取れない体を抱き潰す。バラバラになりそうに揺さぶられた一史が空をもがく。その腕ごと抱き締めて自分の胸に拘束した。  奥に押し込めたはずの性器が、滑りながら抜ける。  更に押し込んで中を抉る。  感情なんて判らない。  ただ、離れたくない。  それが、全て。 「ヒ、ぁ、ぁ、ぁ、」  消え入りそうな喘ぎが一史の喉から溢れる。その喉を押さえつける。肉環が窒息に締まる。  「俺から、離れないで」  懇願しながら腰を振る。一史は口を開けて酸素を求めながら何度も頷く。  「本当に?」  また、頷く。  「判った。」  放した掌に、脱力した一史がかはかはと咳をする。  安堵感が胸中に滲む。  「お前は一生、俺から離れるなよ」

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