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五
うーん。困った。
あんまそんな話は好きじゃねえけど。寂しさを埋める行為だと思ってたから、緑が隣にいる今、満たされてるわけで。
ムラムラはあんまないなぁ。
でも、緑に強引に押し倒されたりはちょっとわくわくするかもしれない(して来ないけど
でも今はムカついてるから、アイツが土下座して足にキスでもしなきゃ許してやらん。
「……手錠とか首輪って安いんだなー」
ジジイの家にあった埃被ったパソコンから、んな物を探す余裕はあった。
「従順だからまぁ緑には要らないか。まだ」
暫くは放置だ。俺は怪しいページを閉じると、転職サイトで仕事を探す作業に戻る。
高卒で、バイクぐらいしか趣味も技術もない俺にはガソリンスタンドか自動車整備系の仕事しかない。
でも、やっぱ……親父さんの店が一番良かった。そう思うと、自動車整備系はやりたくない。
雇われ喫茶店店長とか面白い求人も見つけたけど、夜中22時までとか椿が一人になるから無理だ。何枚か履歴書を書いて、一応緑の意見も聞きたかったがまだ謝りにも来ないから勝手に何社か受けてみた。
「んー。やっぱ子連れは難しいな」
「お疲れ様ですね。でも実家に戻られるなら保育園も近いですし頑張って下さい」
「ああ。サンキュー」
千秋や他の保育士に励まされながら、椿を抱っこしてクソジジイのいる家に戻る。
ジジイには大学に行け、俺は行かないでかなり揉めて近場なのに独り暮らしを始めただけで今は別にもうお互い気にしてねぇし。
本当に戻ることも考えようかな。
ぼんやりと就職活動を諦めていた時、携帯に親父さんから連絡が入った。
『子連れでも良いと友人が言ってんだが』
「……親父さん探してくれたのか?」
『ツレのせいだからな。何人か声をかけただけだ。お前の人柄は俺が分かってるしな』
「親父さん……」
『明日にでも挨拶してやってきれ』
「ありがとうございます! すぐ行きま」
そう言いかけた時、視界にありえない奴が見えた。
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