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雷也は腕捲りすると肩を回しだした。 「やりたい事?」 「セクハラしてきた奴ら、男女問わずぶん殴ってくる。事務所がデカいからあいつら強いバックには何もできないからな」 フフンと鼻唄混じりで、スーツの真面目そうな男を見つけスキップしそうな勢いで近寄る。 んなの許すか。 全力で止めながら、少しでも太陽に重ねた事を後悔した。 これはかなりの暴れ馬だと思う。 事務所が――父が上手に手綱を持てない、いやつけさせても貰えない思う。 「何笑ってんだよ」 「いや。かき回してくれるのが今から楽しみです」 それぐらいが丁度良い。 親父たちが困る顔を想像したら笑ってしまう。 「暴力で解決じゃなくて、手出しできないぐらい上に上った方が楽しいですよ」 フッと俺が笑うと、雷也も笑う。 「真面目そうな顔して腹黒いな」 自覚している。 数年は……この雷也の育成に手間取り、太陽への気持ちを手放そうと頑張った。 俺は仕事へ逃げた。

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