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「それはお肌の曲がり角を過ぎた36歳だからな。三日も寝ないとボロボロだってーの」 「綺麗な容姿を武器にしないなんて、あんた本当に男らしいな。――惚れそう」 「……嬉しく、ねえな」 男らしさに惚れて、子分にならしてやれるけど。 こいつは俺を女みたいに抱きたいんだろ。 ――雷也の身代わりに。 「そんなに俺は『雷也』に似てるか?」 その言葉に少し、KENNの目が丸くなった。 「雷也? なんで急に雷也?」 「お前が雷也にちょっかい出して椿が巻き込まれたのは知ってる。――昔、雷也って奴が俺に話し方とか生意気そうな部分が似てるからってある奴に差し出されたからさ」 「なんだその話。あんたと雷也が似てる? 初耳だし考えた事もねーぜ」 意外と小さい事を気にするんだなと鼻で笑われた。 「あんた、繊細で壊れやすいから力を身に纏って武装してんだな」 「はっ。知ったよーに言うな」 足でゲシゲシと叩くがびくともしないし、平気そうに煙草を吸い始めた。 許可ぐらいとれ。俺が喘息ならどうするつもりだ。 「殴りてぇな」 「は? なんでお前なんかに殴られなきゃいかんのか」 「いいや。あんたを傷つけた奴」 「――――?」 何故か背筋がヒヤリとした。 まるで肯定するかのように。 それをKENNは多分……見逃さなかっただろう。 「あんた、恋愛から逃げてるから遊んでるだろ」 「お前はどうなんだ」 「俺は運命の相手を探してんの。身体の相性含めて、な」 「けっ」 信じられるかっての。 歯の浮く台詞を言い過ぎて、自分が寒い存在に成り下がってるとも知らずに。 「恋愛でボロボロになって、もう身体さえ気持ちよくなれば良いとか思って女抱いてる?」 お前はエスパーか。心を読もうとすんな。 「さぁ。だが男は端から恋愛対象外だぜ?」

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