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姉さんの墓参りのあの後に、会ったのか。 太陽が誘うから、ずっと隠していた、ずっと我慢していた気持ちが止まらなかった。 誘惑に乗った俺は、――後悔しかしなくて、まともに太陽の顔が見れなかったのを覚えている。 「アンタ、多分もう、太陽を傷つける存在でしかないから大人しくしといた方がいいんじゃねぇの?」 KENNは、挑発的だが、対抗意識からそう言っているのではないと思う。 本当に太陽を思って、俺に釘をさしているんだと思う。 というと、俺はもうKENNには危険な相手だと思われていない、圏外の相手なのか。 「で、キミが幸せにできるとでもいうと?」 「俺を好きになってくれたら、ね。俺も俺で問題があるから、幸せだとは言えないけど。でも、今はアンタの傷のせいで全然、心を開いてくれないから」 今から、撮影なのだから英気を養えば良い物を、こいつは全く着飾らず、そのままの姿で出て行くのだろうか。 今も、太陽に着飾らず、――嘘を見に纏わずに口説いているのだろう。 俺だって、こいつは幸せにできないと思っている。 太陽も馬鹿じゃない。相手にもしないだろう。 「でも、本気だから、身体からは入る気ないよ。ちゃんと心をバラバラに砕いてから逃げれないようにする」 「キミ、特殊な性癖があるもんね」 その言葉に、漸くKENNの余裕な顔が崩れた。真顔になって、俺を見る。 「SMっていうの? 縛ったり首を絞めたりして、本気の相手には逃げられるからライトな付きあいで誤魔化してるんだよね。本気だって言うなら、太陽にそんな事するつもりだろ」 そんなこと、させない。 させないが、下手したら太陽に帰り打ちに合うと思う。 「そうゆう趣味が理解できないと、ただの暴力にしか見えないよな。まあ、間違ってねーが」 クスクスと、KENNは楽しそうで、何だか少し寂しそうだった。 こいつも、自分を理解してくれる相手が探して、馬鹿ばっかやって来たのかもしれない。

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