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椿君は、KENNと太陽が仲良くなるのが面白くないのか。 二人の距離の接近に危機感を持っているんだ。 「それは、分かります。俺も調べましたから」 彼が暴力をふるっていたのは、田沼さんだけ。 ――自分を認知もしなかったくせに、最近になって親のように振る舞おうとした肉親にだけ。 「すこし、時間を下さい」 まだ太陽もKENNも、太陽の気持ちの変化に気づいていない。 このまま、二人の気持ちが引かれ合う前に俺が出ていくべきか。 本当の幸せを願うなら一歩引くべきか。 そんなのはとっくの昔に明白になっていた。 豪快に笑う、キミの繊細な心。 俺は、キミの全てが欲しいんだ。 骨まで全部。 「ね。びっくしした」 「普通に、ちょっと引いちゃうよね」 こそこそと女性スタッフが話しながら俺の前を通過した。 「いつ見ても、KENNの背中――」

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