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十三
「同情してくれねーと、今からする行為がやりにくいんだけど」
「一人で生きてきたお前を称賛はしても、同情する意味がわからん。あと、ヤルなら喋りまくるな。さっさと押し倒してこいよ」
俺が知りたいのは、身体の相性であって、お前の昔話ではないのだから。
「でも、俺、歪んでるからさ。ヤろうとしても、快感が押し寄せてこないんだ。それで気づいたんだ。俺が受けた痛みを快感に変えられないかって」
「は?」
「だから、今からする行為を、俺がする行為を信じて受け止めてくれたら、きっと気持ちよくなるから」
そう、力なく笑うと、KENNは、俺を押し倒してきた。
そして、柔らかい唇が触れるか触れないかの優しいキスをして、それから俺の肩を優しく撫でた。
臍に舌を入れて舐めまわし、両手で下着を脱がせてベットの下に放り投げた。
普通に、ただ、気持ちよくなれるだけの行為だと過信していたのに。
「――んんっ」
KENNの両手が、俺の首に回る。
きつく、きつく締めつけられて思わず何度も何度のその両手を引っ掻いた。
その行為の意味が分からず、一瞬で首に手をかけられて混乱したままの俺はそのまま足でKENNを蹴る。
だが、両手を離したKENNは、咳込む俺の両手を奪うと、更に激しいキスをしてきた。
奪われる。分からなくなる。
痛みが、刺激が、KENNの悲しい顔が。
分からなくなる。
頭に酸素が回らなくて、痛くて――。
これを快感とあいつが言うのなら、あいつは本当の快感なんて知らないんだろうな。
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