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十四

両手でKENNが俺の首をきつく締めて、息が出来なくて視界がぼやけてきた。 「太陽の真っ直ぐに俺を射る目が好きだ」 「げほっ」 「苦痛で、俺に怒りをぶつけようとしてくるその眼も好きだ」 ぐりぐりと先端を指先で弄ると、KENNの手濡らしていく。 「お前は、自分が虐待されたのに、好きな奴にも同じことして喜ぶドSなのかよ」 「あ、違うか。抱きたいだけで、本当はこんな事しても、罪の意識もないってか」 はんっと笑い飛ばすと、KENNの目は切なく揺れた。 泣きたいのは俺の方だよ、馬鹿。死ね。 今にも泣きだしちまいそうなガキが、俺の唇を舐める。 両手でKENNが俺の首をきつく締めて、息が出来なくて視界がぼやけてきた。 手を離したKENNは、優しく俺の頭を撫でると、萎えた俺自身を強く握り締めた。 「お前、やめ、」 「まだ身体の相性は試してないだろ?」 試さなくていい。 こんな、そう思うのに、咳込んで上手く言葉が出て来なかった。 ぐりぐりと先端を指先で弄ると、先走りが溢れてKENNの手濡らしていく。 止めて欲しくて、けど、恐怖からも男ってものはあそこが堅くなってしまうらいし。 上下に擦られると段々気持ちよくなっていく。 「――太陽、好きだ。好きだ」 そんな使い古された言葉、聞きたくもねぇよ。 どうせ、形だけだ。

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