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二十

来、来てしまいました、じゃねぇぞ! 店はどうするんだ! 仕入れとか店頭で販売する奴とか! てか、俺が居るのに雷也に会いに来るなんて、お前! 「ちょっと、太陽?」 「椿に説教してくる」 「今は駄目ですよ」 「うる……」 うるせーっと言おうとして俺と寒田は動きを止めた。 寒田の両手が俺の目に伸びてすかさず視界を隠したが、既に遅い。 ばっちり見た。 雷也が椿を抱き寄せて、唇を重ねるのを。 「あいつ、殺す。親の前でこんな」 「太陽っ 俺達が見てるのなんて二人は気づいていませんって。仕方ないですよ」 「じゃあ、お前はいいのか! それでもマネージャーか。ホテルの入り口で売り出し中の芸能人がスキャンダル中だぞ!」 「太陽、声を押さえて下さいよ。二人に気付かれてしまいますって」 「気付かれても構うか。お前も一緒に殴るのに手伝え」 久しぶりの喧嘩に胸が騒ぎ出したが、寒田は頑なに俺を行かせまいと羽交い絞めしてくる。 「離せよ」 「離しません」 「仕事も放って男に現を抜かすたあ気合いが足りないってーの」 寒田なんて簡単に投げ飛ばせるけど、ちょっと我慢してやっているのに、俺の腕を離そうとしない。 「寒田」 「じゃあ、貴方は何で俺に会いに来たんですか?」 その言葉に、雷也への怒りの拳の力が抜けていく。 「一週間後じゃなくて今すぐはっきりしたかったんじゃないですか?」 「……」 「椿君の気持ちを今、一番理解してあげられるのは貴方でしょ?」 くそう。なんで寒田なんかに説教されているんだよ。 「だから雷也に苛立つ俺の気持ちがお前には分からないってことだろ。もう離せ」 「離したくありません。こんなつまらない事で言い争って、また離れて行かれたら辛い」 お前が喧嘩を吹っかけてきたんだろうが!

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