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三
「んっ」
ベットサイドに座ったKENNに、後ろから抱きしめられるように座った俺は後ろへ顎を引き寄せられて振り返るように唇を奪われていた。
正面では、俺の興奮しているモノを緑が下着から取り出し指先で触っている。
「あっ――待っ。ってか、これって俺見えない分、お前らの表情が分からなくてつまんないんだけど」
御奉仕する予定が、二人に丁寧に愛撫されている。
こんなんじゃ、ベットに誘った意味がない。
「そっちの方が、俺は楽しいけど?」
「太陽は自分本位過ぎますから。次に何をされるのか――いちいち怯えてくれた方が楽しいです」
ここぞとばかりに、二人の意見が合いやがった。
「太陽、――今抱きしめてるのは?」
「KENNに決まってるだろ」
「じゃあ、今、舌で御奉仕し出したのは?」
「う、――ひ、ゃっ」
急いで頭を押そうとしたが、KENNから羽交い絞めされてしまった。
緑が俺のちんこを咥えていると思うと、見えない分、身体がじわりと熱くなっていく。
生温かい緑の舌の感触がダイレクトに伝わって来て、思わず身体をしならせてしまった。
くっそ。
俺が二人を攻めるはずが……。
主導権握られてないか?
「太陽、あのな、三人でするなら少ない立場の方が負担は多くなるんだぜ?」
「んっ、勝手に触るな! じゃあ、お前らどっちか受けになれよ!」
ってか、KENNの口ぶりだと、こいつ経験ありそうだな。
さすが遊び人。
「あ? 俺があんあん言うのなんか見たいか? お前も俺に抱かれたいか?」
「気持ち悪いですね。KENNなんかに抱かれるぐらいなら雷也に襲われた方がまだマシです」
「俺が見えない所で喧嘩してんじゃねーよ、馬鹿」
俺の負担を軽くするとか、目隠しを取ってやるとか――色々方法はあるだろ。
「太陽は口は悪いけど、本当に臆病ですよね。臆病だから強がって――弱みを見せたくないって強勢張って」
「お前もいい加減、弱いとこ曝け出して、みっともなく誰かに叫んでみろよ。そうすれば――どっちが大切かわかるだろ」
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