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四
弱みを見せて何が俺の得になるのか。
そんなことして、また裏切られたり、嘘吐かれたら、
誰が俺を守るんだ。
俺は俺を守るために――頑張ると決めたんだから。
「……考え事とは余裕ですね」
「ひ、冷たいっ」
腹に、たらりとローションが垂れたのを感じる。長くてごつごつした指が、それを指先で集めながら下半身へ降りてくる。
「指、もう入るんじゃね?」
「は!?」
「――諦めて乱れて下さいね」
喧嘩してたかと思えば、息の合った二人の行動に、心臓がとび跳ねた。
指が入ってくる。口ーションで濡らした二人の指が。
「ばっ――――っ」
「ビクビクして可愛いじゃねーか」
「同感ですね」
二人の指がバラバラに動いていくと、頭が真っ白になっていく。
何も考えられなくなっていく。
真っ白で――もう分からなくなる。
「ひっ、お、く、奥に当って、るっ」
頭の中で何かが弾けて壊れて行くような。
「くっそ、も、っと」
こんなクソみたいな行為。
頭の中が壊れて行くようでクソ楽しい。
「もっと、ぶっ壊して、くれ」
モラルとか、理性とか、元々そんなのどうでもよかったし。
ただ、身体だけの行為で疲れて眠りやすくなる、気持ち良くなるだけの心が伴わない行為で良かった。
そうすれば、緑が俺に付いた嘘だって可愛いものだと思えたのに。
滅茶苦茶に遊んで、汚れてしまえば忘れられると。
「可愛いおねだり、出来るじゃねーか」
「うっせ」
KENNがご褒美だと言わんばかりに甘いキスをくれた。
心も溶かしてしまうような、甘く激しいキス。
燻った可愛くねぇ、年月が経って腐ってしまっただけの俺に、優しいキスをくれた。
緑との出会いは――嘘からの始まりだったけど。
KENNは嘘なんか付いたこともない、最初から、全力で正直な馬鹿だった。
もっと、欲しい
もっと、ちょうだい。
ぶっ壊れる様な、甘い嘘。
俺を壊していいから。
「緑、早くも、指じゃなくていいから」
「――はいはい」
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