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十三

Side:太陽 心の狭かったガキの頃の俺を、緑は許してくれて ダサいぐらい恋やら愛やらに臆病な俺を貴方は抱きしめてくれた。 「俺もお前を。いや、」 涙を、緑のスーツに押しつけながら言う。 「俺も緑と出会えて――感謝してる」 つまんねぇ意地やつまんねぇ傷ばかりつけてきたけれど。 甘くない嘘に振り回されて逃げてしまったけれど。 少しだけ痛む頬が、俺の形を思い出させてくれる。 後悔しない、明日の為に。

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