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涙で視界が滲んできて、言葉が、涙で邪魔されて伝えられない。 でも、言わなくちゃ。 この衝動を言葉で伝えたい。 「嘘でも、いい。嘘でもお前ならいい」 「太陽」 「一生、傍に居るって言え」 馬鹿だ。 強がって上手く甘えられなくて、こんな見捨てられた今も、偉そうにそう言って。 「泣きながら――言ってんじゃねーよ」 簡単に俺を抱き上げたKENNの傷だらけの背中を、俺は強く抱きしめた。 「お前の傷さえも愛しいよ、KENN」 その傷だらけの背中で、一人で生きてきたお前が、愛しい。 傍に居たい。 俺が欲しいって言え。 「何もかも投げ捨てて来ちまった。アンタのせいだ」 苦笑しながら、KENNも俺の背中を壊しそうな程強く抱きしめた。 「知らねーよ。俺、絶対に離さないし、もう三人でとかもしねーし。浮気とかまじ心狭いぜ?」 「……うるせー。それでいい、それでいいから、お前が良いんだよ、馬鹿野郎」 頭の中が、滅茶苦茶だけど。 会いに来てくれた。 こうやって追いかけてきた俺を抱きしめてくれた。 それだけで、俺はもう、満足なんだから。 それで、おれはもう、何もいらねぇよ。 「今日は、絶対優しく出来ねぇからな」 そのまま俺を肩に抱きあげて、KENNが笑う。 その笑顔があまりにもへったくそで、俺も思わず笑ってしまった。 「寒いって、その台詞」 でも俺達には、言葉が足りないから、もっともっと耳が溶けてしまってもいい。 甘い言葉をちょうだい。

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