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そのまま、KENNのホテルに連れて行かれて――優しくベットに下ろされた。 まるで執事のように、俺の靴を丁寧に脱がすKENNは、いつもの皮肉も少なくて。 俺は変な緊張が背中に走る。 てっきり、ホテルに着いたら燃えるようなえっちに雪崩れ込むと思っていた。 少なくとも俺はそう期待していて、身体が期待して熱くなっていたのに。 「すぐ身体で誤魔化そうとするからな、アンタは」 「そうだな。もう――熱い」 誘うように首を傾げると、KENNは笑う。 「どうしたらいい?」 「脱がせろ」 両手を上へ上げて、雨で肌に張り付いた服を脱がすように強請る。 KENNは、言われたままに上を脱がす。 「下も脱がせろ」 「了解」 少しだけ硬くなった笑顔のまま、俺のジーンズも床に落とした。 下着の上からでも発情しているのが分かる。 それを小さく笑われた。 「お前も」 KENNは言われたまま、上だけ脱ぐ。 KENNの身体は引き締まっているし綺麗だった。 見える部分だけは。 裸のまま、見られて、――見つめ合って。 嘘なんか身に纏う必要もないんだと感じたくて。 「親に捨てられた同士、傷を舐めあうつもりだったんだ、最初は」 27年間一人だったKENNには、俺が緑に出会えて救われた数年さえもなかったのだから。 でも今は違う。 「もう、そんなのどうでもいい。お前が俺から離れて行くって思ったら怖くなった。自分から手を伸ばしたのは初めてだからこんなに傷付くものなんだと俺、知らなかったんだ」 傷つけても傍に居たいと嘘をついた緑の気持ちを――受け止めることができたのは、KENNの存在のお陰だと思う。 「アンタも、身体が温まれば、とか一人で寂しい夜を過ごすよりはマシって思ってたんだろ、今まで」 俺達って、似てるよなってKENNは笑う。 不器用な所も、愛が欲しかったのに、快感や体温や寂しさを埋める行為に没頭していたことも。 何から何まで似ている。

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