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「そ。だから、歪な俺らって二人で一人なんじゃねー?」 一人でいたら、誰かを傷つける存在にしかならないような、自分の勝ちを否定してしまいそうな、馬鹿。 だから、俺はKENNがいい。 抱きあって一つになって、――お互いを埋め会って補いたい。 「それって、俺の事超愛してるってことでいい?」 「ああ。いいよ、だから、抱け」 本当に溶け合って一人になってしまうぐらい、激しく。 お前の背中の傷なんて、俺が笑い飛ばしてやるから。 こんな馬鹿な俺の傍にいてくれ。 KENNの、頭を撫でた。 KENNの鋭い瞳を守る瞼をなぞる。 キスすると、ぶつかりそうになる高い鼻も、 ――分厚くてセクシーな唇も。 全部、全部、俺を愛すために作られたんだよ。 俺を形成していた身体も、――EKNNを癒せれたらいいのに。 お互いの身体をペタペタと触りあいながら、形を知る。 体温を知る。 止められない熱く込み上げてくる衝動を――知る。 そのまま、俺とKENNは、生まれて初めてするような、ぎこちないキスをして、 ゆっくりとベットに沈んでいく。 いっぱい迷って、いっぱい泣いて。 何処で間違えたのか、――あの時どうしてこんなことしか出来なかったのか。 自分の嫌な所しか思い出さなくて苦しくなるけど。 今度こそ、見失わないようにしよう。 今度こそ、信じて見よう。 心と心が共鳴して、離したくないと身体がお互いを求めあうような、 そんな気持ちもあるんだってことを。 色んな気持ちを踏みにじってきたり、自分の心を守るために利用してきたくせに、 愛しい人の小さな嘘で18年も自分を見失うような馬鹿な自分の弱い心も。 受け止めて、抱き締めて。 これからは、壊さないように。 壊れないように。 どんな嘘も、信じていこうって。

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