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溺愛×未来 十一

五人はランチを食べ終わった後、それぞれの家の方角へ消えて行った。 涼さんはその日一日、ご機嫌だった。 今にもスキップしそうな、踊りだしそうなステップで料理を運ぶ彼は見ていて抱きしめたくなるぐらい可愛い。 ……そして。  ディナーの片づけを頼んで知り合いに連絡していた時だった。 今日の夕食は、午前中予定が入ったために全くできておらず、今日は厨房の食材の残り具合で俺が何か作ろうと思っていた時だ。 バイクの音が響き、裏口の戸にカタンと何かが落ちる音がした。 それだけで、俺は電話を終え、予約の客を書くカレンダーに記入していると、一階で大きな物音がして、手を止めた。 「涼さん?」 「朝登くん!」 ダダダダと階段を何段か飛ばしながら登ってくる涼さんが、俺をめがけて突進してくる。 そのままソファに押し倒されて、――積極的な涼さんに胸をときめかせてしまう。 「どうしました?」 「ってた!」 「……え?」 見上げた涼さんは、目に涙を溜めていた。 「受かっていた。高卒認定試験、合格していた」 「わ、おめでとうございます」 「朝登くーん」 ぎゅっと抱き着くと、興奮した涼さんが俺の頬に何度も口づけてくる。 くすぐったくて笑うと、ポタポタと涙が俺の頬に落ちてきた。 「うううー……。朝登くん、好き」 「……おめでとうございます。涼さんの今までの努力が形になっただけです」 「超好き」 「……じゃあ、俺が後ろの処理してみてもいいですか?」 「駄目だけど、好き」

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