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距離感 Side:涼

朝登くんは、有言実行いや、無言実行に近いかな。 無言実行で、どんどん俺のモノを買いだした。 近くにショッピングモールがあったのだけど、平日の午前中だけあって、両手に荷物を抱えて歩いているのは俺たちぐらいだった。 ベット、毛布、ランチプレート、ランチョンマット、お箸、座椅子、ひざ掛け、その他、無言で手に持ってレジへ持っていくもの多数。  カードではなく現金でぽんぽん買っていくので、ちょっと動揺してしまった。 「ベットは流石にすぐには来ないんですね」 「なんで朝登くんが落ち込むの。二日後なら俺が午前中にいれるし、というか、こんなに買ってもらって申し訳ない。ちゃんと就職したら返すから……」  当分は朝登くんのレストランで働かせてもらうとしても、ずっと甘えるわけにはいかないし。できたら高校卒業認定試験受かって、就職先の幅が広がったら助かるんだけどなあ。 「返さなくていいです。全然恩返しできてない」 「そんなことないよ。俺の方が君に感謝しなくちゃなのに」 「俺は、涼さんの存在自体、すっごいどんな存在にもならないかけがえのないものというか、……」 「ええ?」 朝登くんの脳内では、俺は一体どんな存在扱いなんだ。 中卒で馬鹿で、無職で貯金もないような駄目街道一直線で生きてきたのに。 「買い被りすぎ」 「そんなことないです」 嬉しくなって朝登くんの背中を叩いたら、毛布を持っていた彼がよろけた。 ので、慌てて腕を掴んで引っ張ってお互い顔を見合わせて笑ったのだった。

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