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距離感 Side:涼
午前中は楽しく買い物できたように思える。
午後は、それが夢だったかのように思えるほど忙しかった。
朝登くんに渡されたのは、黒い腰巻のエプロンと白のブラウス。ズボンは黒のスラックス。作業着しか着たことなかったので、ウエイターの格好は少し嬉しかった。
これでできる男みたいな見た目になればいいんだけど、童顔なんだよね。
一個下だと判明したばかりの朝登くんより全然落ち着きが足りない。
傍にいると圧倒される存在感だ。目力が強いのか、自信あふれるオーラなのかな。
「涼さん、こちらランチメニューB、奥の席のお客様に」
「わ、はいっ」
開店と同時に、ランチメニューを注文するお客様で満員になった。
今は一人で切り盛りしてるせいで、テーブル席は三つ、カウンターが四席。
それが女性のお客様ですぐに満員になっている。
外にも並んでいる方々が見えた。
ゴシック調のインテリアに、落ち着いた雰囲気の店長と、アットホームな店内。
俺もこの雰囲気は好きだけど、女性にも評判がいいのかな。
OLさんや主婦っぽい方や年配の女子会の様子のお客様の視線は、奥のキッチンにいる朝登くんだったりする。
彼狙いのお客様は結構多そうだ。
「お待たせしました。こちらランチメニューのBセットです」
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