「やったじゃん。涼さんいる！」 「やーん。涼くん、お久しぶりー！」 一週間無断欠勤した俺を、美穂ちゃんたちも他のお客様たちも暖かくむかえてくれて嬉しい。 店長である朝登くんの人柄だろうな。 素敵な店長に素敵なお客様が集まるのは当然だから。 「二人に、仲直りできたお礼にデザートでもおごるよ。朝登くんが」 「店長が！」 「ウケる」 二人はデザートと言ったのにも関わらず、一番この店で高いものを頼もうとしている。A3レベルの和牛ステーキにしよっか、と笑う二人は可愛い。 「俺はケーキがおすすめだけどね。ここのガトーショコラってお昼には売り切れになるやつだよ」 人気のケーキ屋から仕入れてるって言ってたから数に限りもある。 ここのコーティングされたチョコとラズベリーソースが甘すぎず胸焼けせずに食べれると思うし見た目も美しい。 「てか、二人は痴話喧嘩だったの？」 「ぶっ」 「お礼よりも、二人がBLとしてのラブなのか友人としてのライクなのか、気になって夜しか眠れない」