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スキンシップ 三
朝登くんが俺を家に連れ帰ってくれてから数日。
弟たちは『心配すんな』の一点張りで、朝登くんと口裏を合わせているのか、俺の高卒認定試験までは意地でも心配をかけまいとしているのを感じる。
父さんに連絡したら、200キロ先にトラックで移動中なので、まだ当分帰れそうになかった。
確かに義母は自分優先の人だけど、男が女性を助けるのは、当然だと思うんだよね。
亡くなった母が、身体が弱かったって聞いてたからなおのこと、今の義母は心配なのに。
でもこれ以上俺がいろいろ悩むと、朝登くんが行動しそうなので我慢する。
お金を貯めて、朝登くんが渡していた封筒の中身を早く返したいしね。
そして、朝登くんリクエストで、夜ご飯は俺が作ることになった。
ので、今日はうどん。さっき野菜チップスを作っていた端っこを貰って、かき揚を作っていたのだ。お肉もお店の残りを貰った。柔らかくて、良いお肉なんだろうなと一人、感動したのは内緒だ。
朝登くんとの関係は……良好なのかな。
キスはしなくなったし、好き好きアピールも減った。
彼は俺よりも頭一つ大きいから、廊下を擦れ違うだけでも最初はちょっと怖かったんだけど、それはもう慣れるしかない。
自分から触るのは平気だしね。
「朝登くん、お風呂出たよ」
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