80 / 152

伝える方法が分からない。二

「えー、今日も涼さん休みなの?」 「仏頂面の店長の顔見ながら甘いものとか、ないわあ」 「あ、このニューヨークチーズケーキ、やばい」 昨日も騒いで、今日も文句を言ってきたこの女子高生二人は、涼さんがいないと相手が大変だし困っている。 「そうだ。涼さんがもし全快したらこれ渡して」 「なんだこれ」 二人が出したのは、専門学校のパンフレットだった。 「この専門学校、夜間の製菓コースがあるの。夜間は男性が多いって言ってた」 「……なんで涼さんに?」 「だってお菓子作りたそうだったじゃん。高卒認定試験ってのはさ、受かったら終わりじゃないんだよね。実績が進級して有効活用するって」 「先生が言ってたのー」 涼さんがパティシエって似合いすぎてる。 仕事も忘れて毎日ケーキを買いに行ってしまいそうだ。 いや、ケーキを店に搬入してもらう。 「ってか、このレストランもケーキはホテルの搬入してもらってるじゃん。涼さんがパティシエになったら、作ってもらったらいいよね」 「!」 「華ちゃん……両想いになれるか分かんないんだから、夢見がちな店長にはそれは酷な妄想だぜ」 「あーね。そうだわ。意地悪だった」

ともだちにシェアしよう!