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伝える方法が分からない。二
「えー、今日も涼さん休みなの?」
「仏頂面の店長の顔見ながら甘いものとか、ないわあ」
「あ、このニューヨークチーズケーキ、やばい」
昨日も騒いで、今日も文句を言ってきたこの女子高生二人は、涼さんがいないと相手が大変だし困っている。
「そうだ。涼さんがもし全快したらこれ渡して」
「なんだこれ」
二人が出したのは、専門学校のパンフレットだった。
「この専門学校、夜間の製菓コースがあるの。夜間は男性が多いって言ってた」
「……なんで涼さんに?」
「だってお菓子作りたそうだったじゃん。高卒認定試験ってのはさ、受かったら終わりじゃないんだよね。実績が進級して有効活用するって」
「先生が言ってたのー」
涼さんがパティシエって似合いすぎてる。
仕事も忘れて毎日ケーキを買いに行ってしまいそうだ。
いや、ケーキを店に搬入してもらう。
「ってか、このレストランもケーキはホテルの搬入してもらってるじゃん。涼さんがパティシエになったら、作ってもらったらいいよね」
「!」
「華ちゃん……両想いになれるか分かんないんだから、夢見がちな店長にはそれは酷な妄想だぜ」
「あーね。そうだわ。意地悪だった」
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