「お前らには今日からケーキ代を倍額請求することにする。 「うっわ公私混合、ヤキモチ野郎だわ」 「女子高生に嫉妬ってやばいよね」 危ない。一瞬、一緒にレストランの厨房で俺が料理、涼さんがケーキを作っているイメージが浮かんでしまったじゃないか。 決めるのは涼さんだ。 それに俺が専門学校代を出すと言えば嫌がるだろう。 せめて彼が就職してから仕送していた分を今まで貯金していたら、余裕で行けただろう。 が、家族思いの涼さんのことだ。貯金より優先的に仕送していたと思う。 それに友人である俺がこれ以上口を出すのも嫌かもしれないし。 「店長が何か難が得てる顔、こっわ」 「絶対マイナス思考な考えだよね。絶対、涼さん関係だよね」 当たり前だ。同性を好きになって、その人に拒絶されていないと調子に乗って嫉妬して襲った前科がある。 人一倍、俺は気を付けないといけないんだ。 「……お前ら、客が来たら二階の呼び鈴押してくれ。ちょっとだけ涼さんの様子を見てくる」 「ほいほーい」 「時給発生しまーす」 っち。 思わず舌打ちしそうになってやめた。あいつら、本当に最近調子に乗り出した。 最初なんて敬語で『ケーキの写メとか撮って、sns載せていいですか？』とか聞いてきたのに、今はこうなんだから。 「涼さん、熱どうですか？」