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伝える方法が分からない。四
リビングからテレビの声が聞こえてきたので見ると、洗濯物を畳みながらテレビを見つつうたた寝するという、器用なことをしていた。
「涼さん、熱は――」
額に手を当てた瞬間、威嚇する猫のような『みゃ』という悲鳴が聞こえて思わす両手をあげた。
「び、びっくりした、朝登くんか」
「俺も驚いた。熱ある人がなんで洗濯物畳んでんすか。寝ててください」
「熱下がったから、畳んでるの。終わったら下に降りようとしてたの」
と言いつつ、俺から数歩ソファを横にずれて俯かれた。
なにかおかいしと思って顔を覗き込むと、頬が真っ赤になっていく。
「熱あるの隠してるでしょ」
「いや違、これ、違うんだ」
「いいえ。頬が熱いです。洗濯ものは良いから、部屋で寝ててください」
涼さんが持っていたタオルを奪うと、たまたま手を握る形になってしまった。
その瞬間、大きく体が揺れた。
「あ、ごめん。怖がらせた」
「いや、違う、から。怖かったわけじゃないから、その、……違うんだ」
手を押さえながら、どんどん真っ赤になっていく涼さんに俺も戸惑う。
またドッと熱が出てしまったようだ。
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