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伝える方法が分からない。七

Side:涼 「あのさ、二人とも……ちょっといい?」 美穂ちゃんと花ちゃんを、店の一番奥に連れていく。 朝登くんが厨房で一番忙しい時間に、死角でしか聞けないこと。 二人はきょとんとしていたけど、俺の向こう側の席で俺が話し出すのを待っていてくれた。 「どうしたの?」 「また店長に何かされた?」 「あいや、えっと、俺じゃなくて、友達の話なんだけど、友達の」 自分のことと説明したら朝登くんに迷惑かけちゃうから、他人のことだと言った方がいいか。 「その、友達が、告白された相手に心の準備がない時期に色々あって、でも、その……最近は、嫌いじゃないなって思ってるらしくて」 「友達が……」 「友達が、ねえ」 二人は顔を見合わせた後、うんうんと深く頷いてくれた。 「詳しく聞くわ!」 「それって、好きってこと? あ、友人さんは」 「う……ん。どうなんだろう。たぶん、かな。でも、告白してき相手は、その……試験が終わったら、また口説くって言ってきたのに全然そんな素振りもしないし、好きって言ってくれないし」 「意気地なしかよ」 「気にしないでいいってば。慎重になってるんじゃない?」 「きっと俺が、あ、違、友人が、ひどく動揺して泣き喚いたからかな。で、俺……じゃなくて友人から大丈夫だよって言った方がいいのかなって、思って」 さっきだって、うたた寝してたのはワザとじゃないけど、どうなのかなってわざとじゃれてみたのに、大雑把なО型だって片付けられた。 俺だけ、同じ空間にいてあたふたしてて、情けなくないか。 俺の方が年上なのに。 「あのね、涼さん。大事なことを言うから耳を貸して」 「え、はい」 美穂ちゃんが深刻な顔で、俺に耳を貸せと言ってくる。 素直に耳を傾けると、両手で耳を包み込むと小さな声で言った。 ――男同士のエッチの仕方、分かってる? 「え? え?」 「もうさ、えっろい下着着たり、あとはその制服。その制服、インナーなしで着たらストイックなエロさあるじゃん。それでさ、自分から誘ってみたらいいと思うんだよね。後ろでエッチできる覚悟があるなら」

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