101 / 152

溺愛×試練 十

俺は乙女のように走り出し、着の身着のままベットに飛び込んで布団をかぶった。 が、運動神経とか反射神経も良さそうな彼だ。 ものの見事に追いついて、タオルを持っている。 「あの、風邪ひくからせめてタオルを」 「うるさーい! でていけ。ばかー!」 「こども……」 飽きれた声がして、羞恥心から死にたくなる。 いや、死ぬ。俺は今日中に自分の行いで死ぬ。 「あの……シャワーで自慰って珍しくなくて一般的なので落ち込まないでください。少女漫画の編集してた時は、そんな漫画も見たことあるんで」 「じ、ちがう! してない! 洗浄してただけなの!」 「あー……丁寧に洗うんですね。0型なのに」 なんだよ。信じてない乾いた声。というか、仮にも好きな人の裸だろ。 もう少し興奮するとか、普通なら入らないだろうに。 「……朝登くん」 「はい」 「ちょっと後ろ向いてて。帰らないでよ」 「はい」 素直にドアの方を向いた朝登くんを横目で監視しながら、美穂ちゃんたちに見せた例のモノを穿く。 半休の日、勇気を出して買いに行ったんだ。結構遠くまでいって買いに行った。 濡れた足にはなかなかうまく滑らなかったけど、なんとか入った。 というか、布がこんなに少ないのに、俺のブツが収まるのだけは解せない。 「朝登くん」 「はい。いいですか?」 「……うん」 恥ずかしかったけど、小さく頷く。 すると、振り返った朝登くんが視線を下に下ろした瞬間、固まった。 「……え?」

ともだちにシェアしよう!