102 / 152
溺愛×試練 十一
Side:朝登
俺の目は幻覚をみているのかもしれない。
いや、願望が具現化した。
毎日、彼を思っていた俺に神様が夢を見せてくれたのだろうか。
目の前の涼さんが下着姿で立っている。
黒の総レースの際どい下着。
女性もの……?
「こ、この姿を見て、君はどうも思わないの?」
「え、えっと、え……夢?」
頬を抓ると、痛かった。夢かもしれないと、壁に頭を打ち付けるけど滅茶苦茶痛い。
けど夢から覚めるまで打ち続けよう。
そう思っていたら、服を掴まれた。
真っ赤な顔の涼さんが俺を見上げる。
「……てる」
「はい?」
「準備! ……してる」
「準備?」
濡れた髪から水滴が落ちていく。
それに触れようと手を伸ばしたら、耳どころか首まで真っ赤な涼さんが俺を見上げる。
「後ろの準備してる! 洗浄してる!」
「え……?」
「い、意味が分からないなら、いい。いいけど、……その俺はそこまで覚悟を決めていると知ってほしい」
「ええ?」
壁に打ち付けた頭が痛い。
けど、今その痛みを超えるほど大きく胸が鳴りだした。
やばい。どきどきしている。
夢にしてはご褒美過ぎる。
「涼さん、俺に抱かれてくれるんですか?」
信じられなさ過ぎて、手が震えた。
けれど、うつむいた彼が小さく頷いた瞬間、股間が騒ぎ出した。
「君は、俺のこんな格好を見ても何も思わないなら、その程度の気持ちだったんだろうけど」
ともだちにシェアしよう!