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溺愛×試練 十二

今にも泣きだしそうな震えた声で、段々語尾が聞こえなくなる。 そしてそのまま脱ぎ捨てられたズボンを穿こうとしたので急いで奪い取った。 「返せよ!」 「俺のために穿いてくれたんなら、堪能させてください!」 ズボンを廊下にぽいっと投げて、ドアの前を陣取る。 涼さんはそんな俺が不服なのか両頬を膨らませた。 「堪能する前に、何か言うことがあるんじゃないのか!」 「舐めていいですか?」 「ぎゃー! そんなハイレベルなことじゃない!」 「……涼さん」 膨らんだ頬を人差し指で押すと、音もなく縮んでいく。 ここまで彼にしてもらって、俺は情けないままでいいのか。 後ろを洗浄なんて、普段しないことをこの数日間、ずっとしていてくれていたんだろう。 そう思えば、夜中の奇妙な行動も納得ができた。 人差し指で突いていた頬を、包み込むように撫でた。 涼さんはうっとりするように目を閉じて、ホッとした様子を見せてくれる。 今、この状況で誰よりも緊張しているのは彼なのだ。 「涼さんが好きです。めっちゃくちゃ抱きたいです」 「……お、おう」 触れていた頬がどんどん熱くなる。 涼さんは両手をぱたぱたと団扇のように顔を仰ぎ、頷く。 「俺も、いつの間にか頭の中、朝登くんでいっぱいになってた。こんなに良い人と一緒に住んでいて、好きに……ならないわけなかった」 「涼さん!」 抱き着いて頬擦りすると、猫のように引っ掻いてきたがそこも可愛い。 真っ赤な涼さんの頬をしっかりつかんで、口づけする。 彼も嫌がる素振りはせず、目を閉じてくれた。 唇をこじ開けて舌を入れながら、せっかくのご褒美。 彼の可愛い下着の上から握ってみた。 「ぎゃっ」 色気のない声すらも今は愛しい。

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