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溺愛×試練 十六

Side:涼 自慢ではないが今まで恋人らしい恋人が居たかというとノーだ。 その話は悲しくなるからしたくないけど、初めて自分から誘った相手は同性でしかも俺より年下で明らかにモテそうなイケメン。 そんなイケメンがねちっこく人の乳首を弄ってるのはなんでなんだ。 後ろを処理してるんだから、さっさとブツ込んで腰を振ればいいのに! 美穂ちゃんたちから借りたBL漫画の情報みたいに、激しい言葉責めもなければ半ば強引な挿入もなく、ひたすら身体を舐められたり触られたり乳首弄られて、混乱している。 「朝登くん、あの……」 「はい?」 「……やっぱ男の俺に入れたくないなら無理しないでいいよ」 「は?」 「さ、触りっこってことだよね。それでいいよ。俺も朝登くんの触るね」 パジャマ派ではない朝登くんのスエットのズボンを下ろして下着の中に手を入れると、腕を阻まれた。 「なんでそうなるの。ってか、俺のこれ、すっげギンギンだし!」 「だって、胸ばっか」 じわりと涙が込み上げてきたので、朝登くんが脱いだシャツで顔を拭く。 まだ喘ぎの練習はしてないけど、でもやはり先に進みたいじゃないか。 「だって、胸を弄ると涼さんの此処が指に吸い付いてきて、すげえ求められてる感じがたまらなくて」 後ろをつんつん撫でた後、ぐちゅんと指が入る。 奥で指を動かしながら再び胸を舐められて、下半身がきゅんと響くのが自分にもわかった。 「うっ……でも、もう指だけじゃいやだ」 「分かりました。けどゴムは」 「……ある、ます」 ある、ますってなんだよって思いながら、ベットの下に隠してあった紙袋からゴムとローションを取り出す。 「ローションまで」 「や、薬局にあった」 「……」 お互いなぜか正座になって向かい合わせのまま、俺がゴム、朝登くんがローションの透明ビニールをはいでいく。終始無言なのが気恥ずかしい。 「Lサイズを買おうか、朝登くんの息子さんの大きさを測るか悩んだんだよ」 「普通の可愛いサイズです!」 真っ赤に否定していた彼だったが、トンっと俺の肩を押す。 俺は簡単に後ろに倒れて、その隙に背中に枕を入れられて身体が浮いているのに気づいた。 「でも、そこまで俺とエッチすんの考えてくれてたとあ、やべえ。それだけで俺、イきそう」 「そこは男の意地でがまんしとけ。ここに――入れるんでしょ?」 足を立てて両手で左右に広げてみた。 その瞬間、沸騰した彼が飛び掛かってきた。 「こ、こら! そんなポーズ次したら、写メ撮るからな! いけません!」 「なんで」 「――エロいから」 荒い息を吐きつつ、彼が興奮しているのが分かる。 ソレは、俺と同じモノだったんだけど血管が浮き出ていてピクピク動いていて、むわっと雄の匂いをだしていて俺とレベルが違ったから。 彼が俺の身体で興奮してくれているなら、俺だって嬉しい。

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