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溺愛×試練 十八
「……くそう。これがイケメンってやつなのか」
「何を言ってんすか。腰大丈夫?」
飲み物を持ってきてくれた彼は、パンツ一枚だというのに下着モデル並みにイケメンだった。
先に起きた彼の、ドアの音で起きた。
けれど、彼は不自然に下着姿で戻ってきた意味を俺は考えてから気づいた。
あのパンツを隠したんだな、と。
「ねえ、まだ早いよ。お布団入って寝直そうよ」
「はい。あの、本当に体は大丈夫ですか?」
「うん。もっと、あん、いくっ……とか、ら、らめえとか言おうと思ったんだけど、君の動きに振り落とされないようにしがみつくのがやっとだったよ」
今度は風呂場で一人、喘ぎの練習をしてみよう。
「そんなこと気にしないでいいし、それに後ろも」
「ひ、ぁっ」
「あれ、声出るじゃん」
すぐに両手で口を覆って彼を睨みつけておいた。
「そんな君だって」
「うわ」
布団に入ってきた彼の下着を、太ももでなぞる。
間違いない。彼は元気に朝起ちしている。
「朝から元気じゃん」
「そりゃあ隣に涼さんが寝てて、しかも俺に引っ付いていたら、起たないわけないじゃないすか」
よくよく顔を覗き込むと、顎に髭がぽつぽつ見える。
こんな隙だらけの彼もなかなか可愛い。
「ところで、本当に身体大丈夫です?」
「あ、うん。中にまだ挟まってる感じはするけど――って」
言い終わる前に、彼の普段無表情な顔が楽しそうに歪んだ。
「じゃあ、朝も――抱いてもいいですか?」
「え、うそ、むり! 後ろ処理してない」
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