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溺愛×試練 十九

「いいですよーそんなの。俺はもっと初々しい涼さんに、いっぱいご奉仕したいんです!」 「や、でもー、じゃあお風呂に」 「全然涼さんは汚くないので大丈夫です!」 「ウー……」 首筋に口づけながらおねだりしてくる彼は可愛い。 年下をリードすると約束した手前、断わるのもあれだし。 でも、は、ずかしいなあ。 「――いいですよね?」 頬を撫でられて、俺は観念するしかなかった。 だってその指先が触れただけで甘く体が痺れたのだから。 布団の中に潜った彼のつむじを見下ろしながら、こんな緊張も悪くないかなって思う。 「ひぇっ」 布団の中で何をしてるかと思ったら、朝起ちしていない俺のモノを咥えていた。 お、おかしい。そーゆうのって、借りた漫画では受け側がするもんじゃなかったっけ。 俺ばっか舐めてもらっていいの? 「ゃ、っお、れだけっ」 舌先で刺激して、先走りが垂れたら飲み込んでいく彼の頭を強く推す。 「だ、だめだ! 俺もするから!」 「え、えええ?」 起き上がった俺が、彼を押したお……倒れない! 「ちょっと! 倒れろ」 「69ってことですか?」 「何それ」 俺が首を傾げると、彼は片手で頭を押さえて左右に振った。 「忘れてください」 「んだよ、それ」 「あと、俺は前科があるので、『いや』とか『やめて』って言われたら、気持ちよさそうでも止めます」 「お、おう」 あの時は酒に酔っていた朝登くんが、何を考えているのか分からなくて怖かっただけだし、謝罪は十分に貰ったのに、俺が大げさに泣いたのがきっとトラウマになったに違いない。 「なのでよかったら『良い』とか『気持ちいい』とか『そこ好き』とか教えてください」 「ひいいい」

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