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溺愛×試練 二十

「涼さん、これは?」 「……い、いやじゃない、かな?」 「乳首の周りは普通、と」 ひー。頼むから声に出して確認するなよ。駅員かよ。 涼君が俺の弱い場所を探そうと必死で、俺はどうしていいのか分からない。 「周りは駄目なら、ここは?」 「――んんっ」 唾液を含ませた舌先で押しつぶされて、声が漏れた。 なんか、ちょっと下半身がずんっとした。上手く言葉が出てこないけど。 「涼さん?」 「わ、わかんない!」 「じゃあもう少し弄ってみます」 本日二度目の、ひー。 舌先で弾かれて切ない気持ちになってくる。 気持ちいいといえばいいのかもしれないけど、これだけじゃ嫌というか刺激が弱いというか。 「あの、朝登くん」 「なんですか?」 「ちょっと噛んでみて」 「!?」 丁寧に舐めていた朝登くんが、ものすごい形相で俺の顔を見上げた。 何か不味かったのかな。 「痛いのが好き?」 「いやなんか、刺激が物足りなくて」 悪くはないけど胸だけってのは、ちょっと何かが足りない。 「噛んでみますけど、痛かったら言ってくださいね」 はむはむと甘噛みされて太ももが揺れた。 足を擦りながらも、そうじゃないと体が言っている。 次に歯の感触がして、稲妻のように胸に痛みが走った。 「――っ」 でも止めて欲しいぐらいの苦痛ではない。 朝登くんも俺の反応を見ながら、噛んでいないほうの旨を爪で押す。 「……き、かも。好き……っ」 俺ってもしかしてちょっとマゾだったのかな。 この刺激、足りなかった何かに近づいたかもしれない。 「痛かったら言ってよ」 「う――ん、ってあ、ぁっあああっ」 強く噛むと同時に反対を抓られて足の指がシーツを巻き乞いながら曲がる。 これは、身体がじんじんしてイく瞬間のクラクラに似てるけど、違う。 「ごめ、朝登くん」 「痛かった?」 「いや、俺、どうやら胸だけでは駄目みたい。その……ここも同時に触ってほしくて刺激が足りなかったみたい」 足をもじもじさせながら自分で握ってみると、既に少し硬くなっていた。

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