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溺愛×未来 二

家では食事をしながらテレビを見ても構わない。 家族で会話しながら共通の話題で盛り上がるだろうし。 でも俺のレストランは、一流とは言えないし高級とまでは言わないが、一応そこそこ食材にはこだわっている。 出かけて食べる特別な時間に、テレビを見るのは勿体ない。 「Wi-Fiつけるから勝手に携帯で見ろ、と言っておけ」 「朝登くんって、あの二人にほんと容赦ないよね」 「ふん」 涼さんに後ろの処理をさせるためにクラウチングスタートで薬局に走るやつらだ。 好きなわけない。 「会話がなくて気まずいからテレビをつけるならともかくね、好きなものが見たいんだから仕方ないよ」 「……」 会話がなくて気まずい、か。 そういえば、両親は22時まで毎日レストランで働いていてそれから食事をとるか、従業員がいる時は交代で食べていた。 俺は、一人でテレビを見ながら、食べていた気がする。 『あの子が何を考えているのか分からないのよね』 ワインを飲みながら、そう母親が愚痴っていたのを聞いてからは――親が作るご飯を美味しく感じることはなくて偶にお小遣いでコンビニのお弁当を食べてたりしてたっけ。 「あの涼さん」 「んん?」 「三階に一緒に寝ましょ。次の休みに両親の荷物を整理して、そこに涼さんの荷物や俺のクローゼット移動して、寝室を共にしませんか」 「え、なに、きゅうに、え怖っ」

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