7 / 12
第6話
スズメが鳴いている。
カーテンの隙間から光がさして、眩しい。
いつのまにか寝てしまっていたみたいで、起きるといつもの時間だった。
春翔との待ち合わせを思うと、いつもの朝もなんだかキラキラして見えるから不思議だ。
やっぱり妖精の魔法かな?なんてアホみたいなこと思いつくぐらいには舞い上がっている。
・
・
エントランスまで降りると、天使がいた。
柔らかな茶色が光を含んで金色に輝いて、暖かい日差しにまどろむ春翔。
神々しいような光景に、声をかけるのがためらわれた。
「あ、ユウ先輩おはようございます!」
振り返って微笑んでみせる彼は、やっぱり妖精かと思われた。
夢と現実が混同しているようで、春翔の頬をひっぱってみる。
「いひゃい、ゆぅぅ…」
自分の頬をつねるところを間違えた。
涙目でゆぅ、なんて反則だと思わない?
可愛い、好き。
「好きだ…」
「…っ!///」
首まで真っ赤にした春翔にはっとして、
自分がなんてことをしたのか気づいた時にはもう遅かった。
ともだちにシェアしよう!