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第8話
「あの、ユウ…手…///」
毎朝寮のエントランスで待ち合わせて、一緒に学校までの短い道のりを歩いている。
この学校では男同士なんて別に珍しいことじゃないから、
王子と姫だなんて言われて、観賞用に歓迎されている。
もう風は夏らしく暑さを帯びて、
青い空には入道雲が白くコントラストを浮かべている。
そして最近俺らも進展があり、登校時に手をつなぐようになった。
それから、ハルとユウってお互いを呼ぶようになった。
ユウって呼ぶのは慣れないみたいで、いつも頬を染めるのが可愛らしい。
あんまりいじめると拗ねるからほどほどにするけど…
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「じゃあまた放課後な、迎えに行くよハル」
ハルの前髪をあげて額に軽くキスを落とす。
ちゅ、とリップ音がするのさえ恥ずかしそう。
「もぅ…じゃあ、教室で待ってるね?
ユウも生徒会頑張ってね?」
バイバイ、と手を振りながら去っていく。
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俺の理性はいつまでもつだろうか…
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