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第39話
【恵果No19】
熱いせり上がる欲求を留めるために息を飲む。
もっと貴方に溺れたいとこんなにも求めているのに...
「そんな事して…まだ我慢して下さいよ」と、私を止める。
欲しくて、愛されたくて、どんなに待ったか知らない貴方はそうやって乱して行くのだ。
首筋に這っていく舌先、胸元をゆっくりと肌蹴させる指先。
どれもあの時にはなかった大人の朝陽さん。
「気持ちが通じたというだけでこんなに幸せなのに、どうしてもっと欲しくなるんでしょうか…」
私はその問の答えをいくばか知っている。
「それが、人の欲であり、業です…私ももう、待ち切れなくて...こんなになってます」
朝陽さんの胸にある手を私の熱へ導くと、驚いたようなのにすぐに表情を変えてフッと薄く笑った。
朝陽さんが、私の滾りを擦ってくれるのに決定的な刺激が貰えず思わず腰が跳ねる。
「恵果さん、自分で帯を解いて下着を脱ぐところを見せてください」
そう、言われて驚いた。
脱がされる事はあっても、自分から脱ぐなんて...
そう思っても朝陽さんは、それ以上触れてはくれず私はゆっくりと帯を緩めた。
私を上から下までただ熱を持ち見つめられると、視姦されてる様な感覚にフルリと体を震わせて帯を解いた。
前が肌蹴け、朝陽さんの喉がコクリと音を立てた。
「朝陽さん...下着は、恥ずかしい...私だけ脱ぐのは嫌です」そう言って、朝陽さんの2番目のボタンに手をかけた。
待ち切れなくて気持ちが急いているせいか上手く外れずに力を入れたらバチッと音を立ててボタンが飛んだ。
「そんなに焦らなくても、俺は逃げませんから」
そう言って朝陽さんが慣れた手付きで服を脱ぐと逞しい体に私の全ての細胞がこの男を欲しいと暴れ轟く。
思わず厚みのある胸板に手を乗せてゆっくりとなぞれば、筋肉で引き締まった肌から直接熱を受ける。
「まだ、鍛えて居たんですね...」そう言って腹の割れ目から臍に向けて手を滑らせた。
その手をずらしベルトへ手をかけると、彼も立ち上がり私の身体の至る所に手を這わせるから急いで金具を外すとズボンを下げると合わせるように足を抜いてくれた。
私の肩に掛かってるだけの着物がパサと乾いた音を立てて落とされ素肌が密着すると、唇を食まれ舌を差し出す。
朝陽さんの手は私の身体をなぞりながら、背中に優しく爪を立てたりするものだから、口付けで既に蕩けてしまっていた私は、あっと言う間に膝が折れて身体を支えられた。
腰を抜かすほど...溺れてるのを知られたようで一気に羞恥心が頬を染めた。
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