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第2話
「慧(さとし)! 早く来いよ!」
後ろを振り向くと和夢(なごむ)がニヤニヤして立っていた。
「木村ちゃん離してやってくれる?
慧、急ぎの用事があるんだけど。」
木村さんという女の子は慌てて俺から手を離した。
「………あの…私……」
「木村ちゃん、コイツ断ったよね?」
彼女は真っ赤な顔で和夢を睨みながら走り去って行った。
「和夢サンキュ。」
「まったく……モテ男さんは大変だね?」
高瀬 和夢
小学校からの腐れ縁……いわゆる親友だ。
愛想のない俺と違って人当たりが良く男にも女にも人気がある。
小学校からずっと俺と同じバスケのクラブチームに在籍している。
高校に入り和夢の身長は伸び悩み175センチで止まってしまい
バスケを続けるか悩んだ時期もあったようだが高校3年の今でも俺と一緒にクラブチームに通っている。
「モテない……
人気があるのはお前だろ?」
「俺? 俺は女いらないや。
何かさっきみたいの見ちゃうとなぁ…」
「……ホント何でヒトの気持ち考えないかなっ。」
「なっ。 行こうぜクラブ。」
「あぁ。」
俺は和夢と二人で学校を後にし、バスケの練習場所へ向かった。
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