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第3話

俺の親友はモテる。 2日に一度は誰かしらに告られている気がする。 槇野 慧 小学校の一年から中学二年まで同じクラスだった。 家も玄関の入り口の通りこそ違うけど 隣接している部分があり、そこが俺の部屋だ。 流石に小学校低学年の頃は玄関から出入りしていたけど今では窓から行き来している。 慧は小学校の頃から正義感が強く、頭も良くてスポーツも何でも熟す。 189センチの身長はバスケ選手には最適で、今も伸び続けているらしい。 ………伸び止まりの俺には羨ましい話だ。 そして 何よりイケメンだ。 小中学校の同級生に一人、俺から見て慧よりイケメンだった奴がいたが そいつは慧みたいにデカくなかった……。 それでも『王子』と呼ばれファンクラブがあったっけ。 慧は優しい。 誰にでも。 だから勘違いして寄って来る奴がいることに 親友としてはいい加減気付いて欲しい。 でも 慧の周りには 高い 高い 壁がある事を誰も知らない。 いつからだった? 慧は誰にでも優しいけど表面上だけだなぁって。 俺が気付いたのが中学一年。 それよりも前からだったのかもしれない。 そんなコトはどうでもいい。 慧は慧だから。 俺の好きな慧だから…………。

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