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第5話

シャワーを済ませて自分の部屋にいくと 当たり前のように和夢がベッドに座っていた。 「慧、ゴハン食べに行こ。」 「ん。」 窓を開けて和夢の部屋を通り、高瀬家のダイニングに向かった。 「サトちゃんお帰り。ゴハン食べちゃって。」 「里奈サンいつもスミマセン。 いただきます。」 俺と和夢は手を合わせてから和夢の母、里奈サンが作ってくれた生姜焼きを食べた。 俺が食器を洗い、和夢が拭きあげる。 二人で食器棚に皿をしまった。 「母さんおやすみ。」 「里奈サンごちそう様でした。おやすみなさい。」 「おやすみ。」 二人で和夢の部屋を通り俺の部屋に戻った。 そのまま洗面所に行き歯を磨いた。 もう11時になっていた。 俺はお気に入りのアーティスト『ルナ』のC Dをかけてベッド入った。 そこに和夢も入り込む。 母さんが男と出ていってから、父さんが仕事でいない時は必ず和夢が俺の部屋に泊まった。 中学に入ってからだったか学校に行っている間に 俺のシングルベッドと父さんのダブルベッドが交換されていた。 「これで慧も和夢もベッドから落ちないな。」 って笑っていたっけ。 今夜も和夢と手を繋いで眠る。 お気に入りの『ルナ』の声を聴いて眠る。 『ルナ』のボーカルの声はあの子を想わせ、少し切なくなる。 「おやすみ和夢……」 俺は左手に和夢の手の温もりとあの子に似た優しい声に包まれて 眠りに落ちた。

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