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第13話
父さんは清水さんを呼びカードを渡した。
「和、カッコいいなカード払い。
スマートだな?」
マキ父さんがニヤニヤする。
「後で俺にも請求してくれな?」
「ん。」
清水さんがカードと領収書を持ってやってきた。
「えっ?」
驚いた顔で清水さんを見上げる父さん。
「高瀬様、サインをお願いいたします。」
父さんはサインを書いて小さい小さい声で「ご馳走さまでした」と伝えた。
清水さんに見送られて店を出た。
エレベーターを待っていると支配人の青山さんがやって来た。
「高瀬様、槇野様、本日は駐車場の件で大変ご迷惑をおかけしました。
オーナーよりお詫びの品を預かってまいりました。
どうぞお納め下さい。」
そう言って封筒を差し出してきた。
「えっ?イヤ、いただけません。
こちらこそ申し訳なかったです。」
「あの、私がオーナーに叱られますので」
そう言われやっとマキ父さんは封筒を受け取った。
二人に頭を下げられながらエレベーターに乗り込んだ。
エントランスに行くとウチのレガシィとマキ父さんのトラックが横付けされていた。
ドアマンに見送られてホテルを後にした。
車の中で父さんが
「あの支払いじゃあんな料理、絶対な食べられないんだけどな…………。」
そう言っていたのが気になったが
何も聞かずに卒業ライブの会場まで送ってもらった。
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