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第13話

ジーッーーー・・・ ゆっくりと俺のパーカーのチャックが開かれて、中に着ていたシャツにお兄さんの大きな手が滑りこむ。 「はは・・・スベスベだね。細いなぁ・・・ 入れるには、まだ少し小さいかな?無理矢理入れて壊しちゃってもいいけど・・。 ねえ?どう思う?そうだ、君、名前は?」 質問と同時にヒタリと右手のナイフが頬に触れる。 壊すって言葉が頭に響く。怖い。息もできない ・・・俺、殺されるの・・・? 「ッ・・・・・・っ・・・」 「ああ、泣いちゃったね。 そんなに怖がらないで、その綺麗なお口で話してごらん。 口も、小さいなあ。でもこっちならイケるかな・・?」 優しい口調なのに、どこか感情の無い瞳が同じ人間とは思え無くて、 なんとも言えない恐ろしさで体が強張る。 俺の口元をじっと見ていたお兄さんが、無表情のまま突然ナイフを振り上げたーー 咄嗟に目をつむると、胸元からサッとシャツが上から下に割かれたようだった。 少し冷たい風が割かれた隙間から服の中に滑り込んできて、俺は恐怖とも寒気とも付かない 震えで益々身を小さくした。 これから何が起きるのか想像も出来なくて、恐怖で目を閉じていると、ガチャガチャと金属がこすれる音がして、ビックリして目を開けると、お兄さんがベルトを外しているところで・・・現れたお兄さんのアソコは膨張して固く反り上がっていた。 「コレ、舐めてくれたら帰してあげる。」 そう言うと、ソレを俺の口へと強く押しつけてきた。 グッ・・・グリ・・・・ッ 「はっ・・・はぁ・・・・っ・・・」 ヌルヌルとしたモノが俺の頬に当たり、独特の香りが漂って恐怖で息がうまくできない・・・ 「早くして。時間が無いよ?痛い目、みないと分からないかな?」 サッ・・・・・・・ 「アッ・・・・!!!!」 ツー・・・ッ 「はは・・その顔、イイね。チュッ・・チュク・・・・君・・甘い香りがする・・。 綺麗な子の血は、美味しいなぁ。ふ、あははは!・・ねえ、首、もっと深く切られたくなかったら早く舐めてよ。」 痛い、怖い、死にたくない・・・・ 感情の無い目で俺を見下ろすお兄さんの唇には俺の血が付いていて・・・・ 「さあ」と、口元にソレを押し付けられて、俺は必死に舌を這わせた。 チュッ・・・チュク 苦い味が口内に広がって頭がクラクラする。 「ん、いいね。ちょっと座って? 逃げたら、殺すからね・・・・?」 胡坐をかいて座るお兄さんのモノを這いつくばって必死に舐める。 もう、とっくに逃げるなんて選択肢は無くなっていて。 「あ・・いい・・・は。こっち、見て。」 言われて素直に見上げる。 「そう、イイ子・・・綺麗な顔・・・はは・・ご褒美・・」 ご褒美ーーそう言うと、お兄さんは俺の胸の飾りを強く捩じった。 「いっ・・・・!!!」 「痛かった・・・?きっと、気持ち良くなるよ。君からは淫乱な香りがするからね。」 お兄さんのモノを咥えて、言われた通り必死に顔を上下にさせる。 お兄さんの指はゆっくりと、胸の飾りを押したり指で転がしたりしていて・・・ ジワリ。胸が熱くなる・・何、この感じ・・すごく、嫌だ・・・怖い・・・・。 「うっ・・・出る・・・・」 そう言うと、急に後頭部を抱え込まれガツガツと動かされてーー ビュッ・・・ビューーーーーっ・・・・! 喉の奥を何度突もかれても、噛んでしまわないようにと必死で耐えたけど、口いっぱいに広がるドロドロとした精液と鼻から抜ける嫌な香りに耐えきれなくてむせてしまった。 「・・・ゴホッ・・・カ・・・ハッ」  ボタボタ・・・ツ 「ああ・・・こぼしちゃった・・・飲んで欲しかったな~。 ま、いいか・・・・・・」 やっと終わった・・そう思った時、お兄さんの大きな手が俺の肩を強く押した。 ドン・・・ 「う・・・・・」 したたか頭を打って、仰向けに倒される。 そのまま俺のズボンを強引に下げてきて・・・ 「あー可愛い。まだ小さくて・・・綺麗なピンクだねぇ。」 「か・・・えり・・・た・・・」 「何?」 ゆるゆると俺のアソコを揉みしだくお兄さん。 俺は、無意識に体を小さくしようとギュッと丸まって抵抗してしまった。 「こら。ちゃんと見せて・・・。」 キラリ。ナイフが太陽の光を受けて反射した次の瞬間ーーーーー 「先生!こっち!!!こっちです!!!!!」 「!!!!!ッチッ・・・!!!!!!!」 バッ・・・! 後ろを振り返って、人が近づく気配を確認したお兄さんは、舌打ちしてそのまま車の方へ走って行った。 はっ・・・・はぁ・・・・助かった・・・ササだ・・・ササの声・・・ 「蛍斗!!!!!!」 顔を上げる力もなくて、小さく呟く。良かった・・・俺、本当によかった・・・ 「サ、サ・・・」 「お前・・・・・・こんな・・・・・・」 ポタリ・・・ ササの涙が俺の頬に落ちる。 いつも元気で強くて、俺の憧れのササが泣いてる。 俺のせいで・・・・・ 「ササ、ごめんね。・・・先生、は・・・?」 「バカ!!!こんな時まで謝るな!!!!! 先生ってのは、ハッタリだ・・。」 「ほら、俺の上着」 そう言って、ぐいぐいと腕で自分の涙をぬぐい、俺に着ていた上着を掛けてくれた。 お兄さんの言葉が頭に過る。 『そんな顔してるんだもの、こういう事も、しかたがないよね・・・』 『君からは淫乱な香りがするからね』 その時の俺は、そう思われた事がひどく恥ずかしい事のように思えて・・・ この事はどうしても大人に話したくなくて、ササにお願いして内緒にしてもらった。 それから、ササ以外の誰にも話してないけれど自分の顔が嫌いになって、 知らない人に必要以上に体に触られるのが苦手になったんだ。 柊君に跨られて押さえつけられた時、あの時の事がフラッシュバックして、 体が思うように動かなかったんだーーー それなのに、俺は柊君からの刺激で感じてしまって・・・・。 大人になってからあんな事が初めてだったから? いつもと違う、柊君の余裕の無い表情を思い出す。 もしかしてーーー相手が柊君だったから・・・? 頭が混乱する。 いや、・・・俺の気持ちよりも、今寝室で寝ている柊君は一体どう思っているんだろう。 酔っていないと言っていたけれど、かなりの量を飲んでいたし、 起きて間違いだったと焦るんだろうか、それとも本当に俺が嫌いで嫌がらせを・・・? 飲み会までは少なくとも嫌われていなかった気がしていたのに。 サァァァーーーー 今日、これからどんな顔して会えばいいんだろう・・・・ 熱いシャワーを浴びながら必死で原因を考えたけれど、結局何も分からなくて。 何か答えは無いかと、俺は昨日あった事を必死に思い出したーーー ・ ・ ・ 『柊君、彼女いるの?あんなにアプローチ受けて、悩まない・・?』 『居ないし、悩まないです。美人だったら、とりあえずヤッて、付き合うとかはあんま無いですね。』 『あんまり、社の女の子泣かせたらダメだよ。』 ・ ・ ・ 『綺麗だ・・・・・・。』 ・ ・ ・ 昨日の柊君の言葉が頭に響く。 あ、もしかして・・・ 柊君は、俺の言いつけ通り社の女の子に手を出さずに俺で我慢したって事・・? 綺麗だったら取り敢えずヤルって言ってたし・・ その相手に男も含まれるなんて、経験の無い俺には想像も付かなくて。 それでも色々と分からない事はあったけれど、あんな事があっても俺が柊君を可愛い後輩だと思っている事には違いなくて。 どんな理由があったにせよ、ちゃんと抵抗出来なかった俺のせいでもあるんだし、柊君に気まずい思いをさせないように振る舞わないと・・・。 それに、嫌いになられるような事をしていたとしたら、きちんと謝りたいし・・。 とにかく普通にしなければ、と覚悟を決めて、俺はお風呂を出たのだった。

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