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第25話
ーー side 伊藤 蛍斗 ーー
ふと目が覚めると、カーテンの隙間から見える外ははまだ暗がりで。
俺はいつもと違う目覚めに戸惑っていた・・・。
昨日の事は夢であってほしいと思いつつ・・・
俺を挟んで眠る二人の様子がそれが現実だと物語っている。
真冬の朝、昨日買った三人お揃いのルームウェアがフカフカと気持ち良くて、
3人で寝ているせいもあって体はポカポカだった。
俺の右で眠るササに腕枕をされて、左には俺の胸の辺りに柊君の頭がある。
しかも、柊君は俺の体をがっしりと抱きしめていて、足までからめられているから身動きが取れなくて・・・。
俺、昨日何て事しちゃったんだ・・・
いくら二人に攻められたからって、勃ってしまって・・
あまつさえ自分から柊君のモノに舌を這わせて・・そして・・・・・
『あああッん!!!これ、なんで、こんっな・・きもちい・・・』
・・・・・・・・。
昨日の事を思い出して、顔に熱が集まる・・・
うあああああああ!!!思わず、大声を出してしまいそうで・・・・
俺、何てこと・・・何てことをしちゃったんだ!!!
もういっそ、ここから消え去りたい・・・
せめて二人が目覚める前にシャワーでも浴びて心を落ち着けよう。
そして、何事もなかったかのように挨拶しよう・・・
うん、それしかない!
慎重に、慎重に柊君の手を取って、そっと外す・・・
「ん・・・・伊藤せんぱ・・・い?」
!!!
お、起きちゃった・・・・
昨日のは、さすがに前のとは違って、男同士の抜き合いとか、そんなレベルじゃなくて・・あんな事があって、しかも今こんな状況で・・・俺、一体どんな顔したらいいの・・・!?
ゆっくりと顔を上げて、胸元からぼんやりと俺を見つめる柊君は、髪がくしゃくしゃと少し寝ぐせがついていてなんだか可愛い。
寝ぼけてるみたいだし、このまま寝直して・・!
なんて、必死に願いつつ、刺激を与えないように息すらも止めて
じっと柊君の様子を伺っていると・・・
「・・・・・・・・。せんぱい・・・・
俺、昨日先輩に入れてない・・・・。」
「えッ・・・!?」
そう言って体を起こした柊君はすっかり目が覚めていて、
さっきまでの可愛い雰囲気は消えて、獲物を見るような鋭い瞳をしていた。
寝起き第一声がソレなの・・!?
あまりに予想外のセリフにただただ唖然としてしまう。
そんな俺の様子なんてお構いなしに、柊君は起き上がって俺を見下ろしながらぺロリと舌舐めずりをしたかと思うと、俺の唇に噛みつくようなキスをしてきた。
この間とは違う、ゆっくりと焦らされるようなキス。
舌を吸われて、上顎を擦られると、じわじわと昨日の熱が蘇ってくる。
くちゅ・・ちゅ・・・・・チュプ・・・・
唾液がお互いの間を行き交う音に、頭が痺れるような感覚に襲われる。
スルスルと俺の体を辿っていた柊君の手がパンツに伸びると、ズボンとパンツに指を引っ掛けて、一気に膝下まで下げられる。
そのまま柊君の手がアソコをゆっくりと扱いてきて、空いた手で胸の飾りの周りをクルクルと刺激された。
体の熱はすっかり戻ってしまったのに、直接的な刺激が無くて・・
もどかしい指使いに、無意識に催促するように腰を揺らしてしまった。
「ふっ、ん・・・・」
堪え切れない声が漏れる。
「・・・ッ先輩、可愛い・・もっとして欲しいですか?でも、佐々先輩が起きないように、声ださないでくださいね・・・」
「んっ・・ふ・・・・そんなぁっ・・・・!」
柊君が扱く手を早めると、昨日したばかりだというのに俺のアソコからはダラダラと先走りが溢れてしまった。
グチュ・・グチュ・・・・
「あ・・あ、で、そう・・・・」
「出して、先輩・・・」
「・・・起きてるっつーの・・・・お前ら、朝から何やってんの・・・」
突然、不機嫌なササの声が頭上から降ってきた。
腰に腕を回されて、体ごとササの方を向かされたかと思うと、
立ち上った股間が勢い良くササの足に触れてしまって。
もう少しでイキそうだった俺は、強く擦れる刺激に耐えられなくてーーー
「あっ・・・あッ、・・・」
ビュ・・ビュク・・・・・
「蛍斗、我慢できなかったのかよ・・」
そう言って少し意地悪にニヤリと笑うササ。
「あ・・・あ、ごめ、、ごめん。俺・・・服に・・・うっ・・」
情けなくて、泣きそうになっていると、後ろから柊君に抱え込まれた。
俺の腰に両手を回した柊君が、イッたばかりで敏感な俺のモノを両手でヌプヌプと扱く。
「もう、やめっ・・・・」
「ダメです。俺も、伊藤先輩と繋がりたい・・・・いいでしょ?」
グチュグチュ・・・
精液でドロドロになったアソコを扱かれて、耳元でささやかれて・・・恥ずかしさと気持ちよさと・・色々な感情に押しつぶされそうで、もう、何も考えられなくて。
「どうすんの、蛍斗・・・。」
体はササの方を向いたまま、快感でササが何を言っているのか頭に入ってこない・・・
竿を扱かれて、ヌメリを穴に塗りつけられて・・・
クルクルと穴の周りを刺激されると、昨日の快感を思い出してしまう。
「え・・・はっ、ハァ・・・あッ・・・」
「蛍斗・・・お前、その顔反則・・・・・」
ササが眉を寄せて何か呟く。
後頭部に手をあてがわれると、そのまま頭を引き寄せられて
薄く開いた俺の口にササの舌が入ってきた。
俺の中を味わうように、緩く吸われたり・・かき混ぜられたり。
後ろからは柊君の勃起したアソコが俺のお尻にあたっていて・・・
布団の中の温もり、二人から与えられる快感・・・・
トロトロになった俺の穴に柊君の指がゆっくりと入ってくる・・・
ジワリ、昨日の余韻で敏感になったソコはすぐに熱を持って・・・
「すげ・・・うねる・・・昨日、したからかな・・・もう、入りそう・・・
伊藤先輩、俺、もう入れます・・・」
ぐっ・・ヌッ・・ヌプッ・・・パチュ・・・
「ハッ、は・・・・先輩、気持ちいい・・・あったかくて・・絡め取られそうです・・・」
「う・・・あッ・・・・」
前にいるササにしがみついて、後ろから柊君のモノを受け入れていて・・・
俺、ササがいる前でこんな・・・・
見上げると、フッと笑ったササがまたキスをくれて・・・
グッポッ ジュッポ・・・グッポッ・・・・
チュッ・・チュク・・・・
激しい柊君のピストンを、前に居るササがキスをしながら俺ごと受け止めてくれる。
柊君が引き抜くと体ごともっていかれそうな快感に襲われて、目の前がチカチカと真っ白になる。突き上げられるとお腹の奥がジクンと痺れて、激しい射精感に襲われて・・・
「ふ、んぁ・・・はっ・・・あっ、あっ・ササッ・・ひいら、ぎく」
「・・・ッ 蛍斗・・・」
「伊藤、せんぱっい・・俺、スゲーいいです・・気持ちいい・
こんなっ、気持ちいいの、初めてです・・・」
「・・・ッ・・・・ンアッ・・きもちいッあ、もうダメ・・で、る・・・!!」
強く柊君に穿たれて、最奥で柊君のモノがビクンと跳ねたのを感じた。
その強い刺激とササの激しいキスで俺もすぐに達っしてしまった。
「アッ・・・・アッ・・ふっ・・う・・・」
激しい快感に何も考えられなくて、ササにしがみついて呼吸を整えていると、
ふいに、ぽんと頭を撫でられて・・・。
「蛍斗・・・俺お前のこんな一面を今まで知らなかったなんて・・・
早く俺のモノにしとけばよかった・・・」
「・・・ハッ・・・ハァ・・すげえ、良かった・・・今までで、一番・・・
やっぱ、好きな人だから・・なのかな・・・。」
そう言う二人に前と後ろから同時に抱きしめられて。
俺だって二人とも大好きだ・・
でも、この好きは何なんだろう・・・
この行為を受け入れて・・むしろ感じてしまって・・・
『淫乱』
一瞬昔の事が頭に過ったちょうどその時、ササが俺の頬をぐっと引き上げて
じっと目を見てこう言った。
「蛍斗、良く聞け。
蛍斗がおかしいんじゃないし、蛍斗のせいでこうなったんでもない。
何も知らないお前に快感を植え付けてるのは俺達だ・・・
もし蛍斗が嫌じゃないなら・・深く考えずに、俺達を受け入れてくれ・・・
もし、どちらか選ぶにしても、焦らなくていい。
お前の傍に居られるだけで俺は幸せだ。」
ササ・・・
いつも俺をこの暗闇から救ってくれるのは、ササだった・・・
じっとササを見つめていると、ふわりと後ろから抱きしめられて・・・
「伊藤先輩・・・俺も同じ気持ちです。
こんな風に突然迫られて、混乱しますよね。
でも、少しでも俺の事好きって気持ちがあるなら、
俺がこうして傍に居るのを許してください。」
皆の前だと完璧な後輩なのに、本当は少し意地っ張りで負けず嫌いで・・
そして、俺の前だと子どもみたいに素直で可愛い柊君。
二人とも、違う大切さがあって・・・
もう、過去に囚われて自分に閉じこもるのはやめよう・・・。
今は素直に二人の気持ちに応えたい。
自然にそう思って、俺は、ゆっくりと頷いた。
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