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第13話

昼休みに友人たちと昼食をとり、眠気が襲ってくる5限目。頬杖ついてふあっとあくびをしながら何気なく窓の外へ目をやった。どうやら三年生は体育の授業らしく、体操着で校庭へ集合していた。 ……かなちゃんいないかな? こういう時は無意識に身内を探してしまう。見つけたからといって何がどうってわけじゃないんだけど、あぁ、かなちゃん頑張ってるんだなって応援してあげたいというか、まぁそんな感じ。 高校三年にもなると男子の身体はどんどん成人に近づいて、骨格で男だとすぐわかる身体つきになる。だけど。 あ、かなちゃん発見! かなちゃんは細くて頼りない男子の見本みたいで逆にすぐわかる。一目瞭然だ。加えて色も白い。悪く言えば貧弱、良く言えば儚げで綺麗だ。 かなちゃん達は二人一組になってストレッチを開始した。授業前の準備運動だ。かなちゃんの相手は……。 「……ぁ」 神崎先輩だった。 小さく声を発してしまった為に教師にどうしたと声をかけられたが、「なんでもありません」とやり過ごし、教師の目を盗んで再び窓の外へ視線を向ける。 かなちゃんは開脚で座り、神崎先輩はかなちゃんの背中に伸し掛かるようにして重みをかけ柔軟体操の補助をする。かなちゃんの顔は俯いているのでよく見えないが神崎先輩はぐいぐいと手荒に背中を押しているように見えた。 かなちゃんの身体柔らかいんだな。 他の生徒と比べるとかなちゃんの上半身はかなり深く折れていて高い柔軟性を持っていることがわかる。ぐいぐい押しまくっている神崎先輩はなんだか気に入らないが、かなちゃんの身体が柔らかいという意外な一面を知ることが出来た。

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