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第17話
「と、取り敢えず、かなちゃん椅子座って」
「あ、うん。……な、啓太、保健委員って本当?」
ぎくっ。
「え?あ、なんで?俺保健委員だよ~」
「へぇ。初めて聞いた。今までそういう話ししたことなかったな、そう言えば」
かなちゃんごめんなさい。
自分が保健委員だなんて神崎先輩を煙に巻くための嘘でした。
俺は委員会に属していない清掃・美化係です……。
「そうだね。でも俺かなちゃんのことは知ってる。学習係ってやつ?先生の書類運んだり、プリント類運んだりしてるとこたまに見るよ」
そうなんだ。窓越しにフロアも違うけど、かなちゃんが頑張っている姿はたまに見ることがあった。
そこでも俺は、かなちゃん頑張れ!とエールを送っている。
「えーほんと?恥ずかしいな。係じゃないけど内申点稼ぐ為に先生の手伝いしてるだけだよ」
「へぇ。でもかなちゃんいつも頑張ってるよね。俺の兄ちゃん頑張り屋だなっていつも思ってるよ」
戸棚越しに見えていた消毒薬と脱脂綿を手に取り、丸椅子に腰掛けたかなちゃんの方へ顔を向ける。するとかなちゃんは、頬をうっすらとピンクに染めて俯いていた。
「かなちゃん?」
「いや、恥ずかしいんだ。その……啓太に兄ちゃんって言われるの。ほら、いつも啓太は俺のこと、かなちゃんって呼ぶだろ。だからたまに兄ちゃんって言われると、顔が熱くなる」
かなちゃんはちらちらとこっちを見ながら長い睫毛を揺らし、滑らかな頬をピンクに染めて、血色の良い唇を動かす。
どくん、どくん、と脈打つ下半身。
「そ、そうなんだ……」
俺は平静を装って相槌を打つが、実はすごくヤバいことになっていた。
どうした、おれの息子よーーーー!?
赤くなったかなちゃんに、ムラムラが止まらない!!
静まれ、ジュニア……!!!
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