17 / 97

第17話

「と、取り敢えず、かなちゃん椅子座って」 「あ、うん。……な、啓太、保健委員って本当?」 ぎくっ。 「え?あ、なんで?俺保健委員だよ~」 「へぇ。初めて聞いた。今までそういう話ししたことなかったな、そう言えば」 かなちゃんごめんなさい。 自分が保健委員だなんて神崎先輩を煙に巻くための嘘でした。 俺は委員会に属していない清掃・美化係です……。 「そうだね。でも俺かなちゃんのことは知ってる。学習係ってやつ?先生の書類運んだり、プリント類運んだりしてるとこたまに見るよ」 そうなんだ。窓越しにフロアも違うけど、かなちゃんが頑張っている姿はたまに見ることがあった。 そこでも俺は、かなちゃん頑張れ!とエールを送っている。 「えーほんと?恥ずかしいな。係じゃないけど内申点稼ぐ為に先生の手伝いしてるだけだよ」 「へぇ。でもかなちゃんいつも頑張ってるよね。俺の兄ちゃん頑張り屋だなっていつも思ってるよ」 戸棚越しに見えていた消毒薬と脱脂綿を手に取り、丸椅子に腰掛けたかなちゃんの方へ顔を向ける。するとかなちゃんは、頬をうっすらとピンクに染めて俯いていた。 「かなちゃん?」 「いや、恥ずかしいんだ。その……啓太に兄ちゃんって言われるの。ほら、いつも啓太は俺のこと、かなちゃんって呼ぶだろ。だからたまに兄ちゃんって言われると、顔が熱くなる」 かなちゃんはちらちらとこっちを見ながら長い睫毛を揺らし、滑らかな頬をピンクに染めて、血色の良い唇を動かす。 どくん、どくん、と脈打つ下半身。 「そ、そうなんだ……」 俺は平静を装って相槌を打つが、実はすごくヤバいことになっていた。 どうした、おれの息子よーーーー!? 赤くなったかなちゃんに、ムラムラが止まらない!! 静まれ、ジュニア……!!!

ともだちにシェアしよう!