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第23話

やばい……かなちゃんが泣く……!! 俺ははっとした。我に返るとはこういう事をいうのだろう。俺は手早くポケットからハンカチを取り出して手に溢れた二人分の精液を拭き取り素早く水道で洗った。そのハンカチでかなちゃんの下半身をお清めして短パンを履かせ自分も簡単に汚れを拭き取り身支度を整えた。 「……ぅ、う~~っ」 「かなちゃん、ごめん!俺が悪かった!ごめん~~!!」 完全に泣かせてしまったみたいだ。かなちゃんは本格的に涙を流し始めてしまった。 「ち、違うんだ啓太……。俺が、俺が弟のお前にこんなことさせて、ごめん」 「え?」 いやそれ違うと思うよ?俺の中の俺が言う。 「……こんなことさせて俺変態みたいだよな。俺、お前の兄ちゃんなのに……。啓太ごめん。俺もっとちゃんとするから」 いやだから違うって。変態なのは俺なんですって。 かなちゃんは何か盛大に勘違いしているようだった。かなちゃんに悪戯を仕掛けたのも俺。かなちゃんのちんこを扱いてみたかったのも俺。気持ちいい顔してるかなちゃんを見たかったのも俺。かなちゃんのエロイ声が聞きたかったのも俺。それなのになんでかなちゃんが泣きながら謝るの? 「かなちゃん……」 それは違うと口を開きかけた時、保健医が戻ってきた。 かなちゃんの盛大に擦り剝けた膝と泣き顔を見て、余程痛くて泣いているのだと勘違いしたみたいだった。この状況を見ればそうとしか思えない。まさか義兄弟でエロイことして泣いているなんて誰が思う?普通は思わないそんなこと。だから余計にかなちゃんは罪悪感を感じてしまったのだろう。 かなちゃんの様子が気になったけど、俺の腹痛は治りましたと言って保健室を出た。 お前の兄ちゃんなのに、啓太ごめん。 教室へ戻る途中、そう言ったかなちゃんの声が耳から離れなかった。

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