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第26話
振り返り様ぶつかった拍子に、かなちゃんが手にしているコップから牛乳が溢れる。
パシャンと小さな音を立てて、それはかなちゃんの顔に直撃した。
かなちゃんの顔が、牛乳まみれだった。
「ご、ごめん!!」
「び、びっくりした」
かなちゃんが手の甲でくいっと頬を拭う。
白い液体を拭うかなちゃん。
水を飲んだわけでもないのに、こくりと上下する俺の喉仏。
こ……これは……!!疑似顔射!?!?!
顔を白い液体で濡らし、困った顔するかなちゃんは、文句なく、めちゃくちゃエロい。
やばい……ムラムラする……。むらむら、村村。収まれ!!!
息子が起き上がりそうで、無心になる為にムラムラを脳内で漢字変換してみたけれど、俺の息子は全く言うことをきかない。ダメな奴!!
あぁダメだ。……舐めたい。かなちゃんの顔。ぺろぺろ舐めて、おでことかほっぺにむちゅっとキスして、赤い唇を食らいたい。ぼーっとしながらかなちゃんを眺めているとかなちゃんが顔を拭いながら言った。
「……舐めたいの?啓太」
「え……?」
やっべぇ。心の声が出ちゃってたみたいだ。いつから漏れていたのだろうか。
俺って自分で考えているよりも、かなちゃんへのこの想いはちょっと病的で重症なのかもしれない。
「あ、……いやぁ!朝の牛乳っておいしいよね!俺も飲もうかな!」
俺が焦って言い訳じみたことを言ってる間、かなちゃんはずっと俺を見ていた。
そして。
「いいよ?」
そう言って、かなちゃんは目を瞑って顔をくんっと俺へ向けて上向かせたのだ。
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