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第40話
吐き出されたかなちゃんの精子はぴゅるんと宙を舞い、植え込みの葉っぱに飛び散った。
「あ、……うーっ」
かなちゃんはばっとワイシャツの裾を下に伸ばし、股間を覆い隠す。
見ると、ぱたぱたと涙を零して泣いていた。
かなちゃんのエロモードに酔いしれていた俺は、かなちゃんの涙で正気を取り戻した。
あ!!やべえ!!俺、またやっちまった……!!
「かなちゃ……ごめん!!ほんっとうにごめん!!あのっ、制服汚れてない?っていうか、どっか……いや、ちんこ痛くしてない?あぁそれよりも、俺のキスが気持ち悪かった?」
どれもこれも頷かれたら落ち込む内容だったけれで、自分のことなど後回しだ。
かなちゃんは黙って首を振る。
「ちが……、啓太は悪くなんか……。俺、すごくやらしい。なんでこんなに気持ちいいこと好きなんだろう。啓太……ごめん……、こんな兄ちゃんでごめん……っく……」
かなちゃんはしゃくり上げて泣く。
え、ていうか、気持ちいいこと好きって、さらっと淫乱発言した?
いやいや、それよりもかなちゃんの涙を止めなければ!
俺は慌てて今までの出来事を頭の中で整理した。
俺が「男が好きなのか確かめたい!」とかなちゃんにキスをせがんだ。
↓
かなちゃんは真っ赤な顔して「いいよ」(弟のためなら)と、一肌脱ぐ覚悟を決めた。
↓
キスをした。口がちっちゃくて、柔らかくて、甘くて、可愛くて可愛くて可愛かった。
↓
いつのまにかかなちゃんが制服越しにちんこを擦り始めた。エロかった。
↓
俺は我慢出来ずにかなちゃんのズボンに手を突っ込んで……
って悪いの俺じゃないかーーーー!!!
「かなちゃん!ごめん!全面的に俺が悪いんです、ごめんなさい。本当にごめん!!かなちゃんに触らなければ良かったのに、あんまりかなちゃんがかわい……」
そこまで言ってはっとした。
かなちゃんが可愛いから、なんて言ってしまったら、かなちゃんはまた自分のせいだと思ってしまう。
「いや、俺の性に対する興味が強すぎて抑えられなかった。ごめん、かなちゃん。今度からは本当に気を付ける」
「啓太……」
かなちゃんは上目で俺を見詰めるが、なぜかどことなく寂しそうな表情だった。
「それに俺男とキスできるって確認できたし、……かなちゃんキスしてくれてありがとう」
「……うん」
かなちゃんの涙が次第に引いていく。
よかった……。
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