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第41話
ずずっと鼻を啜ってかなちゃんが言った。
「啓太、その友達に、その……告白するの?」
「え……」
かなちゃんの眉毛が何故かハの字に垂れ下がり、引いた筈の涙がまた溢れてきそうだ。
どうしてそんな顔をするんだろう?
俺があんなことをしたから?
いや……なんか、違う気がする。
「いやぁ……まだ早いかなぁ……。キスも下手だし、もうちょっと練習しておきたいかなぁなんて……」
いやいや、その前に好きな同性の友達なんているわけない。
俺の頭の中は今かなちゃん一色に染まっているのだから。
苦しい言い訳をしながら、ははっと笑ってみせた。するとかなちゃんが乱れた服装のまま俺の胸に飛び込み、両手でシャツの胸元をぎゅっと掴んだ。
その衝撃に俺は両手を地面に着き、かなちゃんを体で受け止める。
「じゃ、じゃあ!俺で……、俺で練習して、啓太」
「へっ!?」
俺の思考が一瞬フリーズした。
いいの!?
ていうか、今の聞き間違いとかじゃないよな?
俺で練習してってことは、かなちゃんとまたキスできるということで間違いないよな?
そんなの……。
そんなの断るわけないだろう!!!
「よ、よろしくお願いします……」
下半身のそこだけ剥き出しのかなちゃんに押されるようにして、俺は夢見心地でかなちゃんと見詰め合う。
ピンクの頬でかなちゃんは目を細める。
ワイシャツの裾から、ちらちらとピンクのちんことタマが揺れて見えて、より一層エロかった。
「あ、啓太は?その……しなくていいの?」
「え、俺は大丈夫。我慢できるし……」
我慢できる……。
俺は自分の股間をじっと見つめた。正直言うと……破裂しそうです。
……うん、後でトイレ行こう。
翌朝から、かなちゃんが少し変わった。
かなちゃんが変わったというか、俺達の関係が少し変わったのだ。
「かなちゃんおはよ、起きて」
「ん……、啓太、ちゅーして……」
「かなちゃん……可愛い……」
そんな風に誘われて、断るやつがどこにいるっていうんだ。
俺はこくりと唾を飲み込んで、かなちゃんの柔らかい唇にそっとキスを落とす。
キスが終わるとかなちゃんは、ふにゃ、と口元を緩めて目を開けるのだった。
その日から、俺とかなちゃんは、義兄弟という間柄でキスをする関係となった。
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