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勘違いにすれ違い
かなちゃんと朝一でのキスをするようになり、早一週間。
「おはよう、かなちゃん」
「……はよ、啓太」
寝ぼけ眼のかなちゃんが、薄く唇を開いて俺が舌を入れるのを待っている。
誘われるままにゆっくり顔を近づけて、唇を重ね、舌を入れる。
「んぅ……んっ、んっ……」
脱力しきって無防備な状態のかなちゃんから、甘く漏れる吐息や声、口内の粘膜が擦れる刺激が堪らなく下半身にクる。
直撃だ。
やばい、すごく可愛い……。
ちらっとかなちゃんの股間も確認。
かなちゃんは膝を立てて太ももを擦り合わせていた。内股にして多分隠しているのだろう。
もじもじと勃った性器を隠している姿がいじらしく、いやらしい。
「かなちゃん、抜いたげようか?」
唇を離したタイミングで問うと、かなちゃんはぱちっと目を見開き、ベッドに腰かけ上半身だけ覆いかぶさっていた俺の胸をぐいっと強く手で押した。
「い、いいっ!余計なことしなくていいから!!」
かなちゃん覚醒。
寝ぼけ顔は超絶無防備で可愛くて、なにをしても許してくれそうなのに。
「起きて着替えるから、啓太はもう行って」
胸の辺りに毛布を掻き寄せてかなちゃんが上体を起こす。
もう何度かかなちゃんとエロいことして触っている筈なのに。
……ものすごい拒否られ方にちょっとショックを受けた。
「わかった。じゃあ先に飯食ってるね」
俺は怒られた犬みたいに、しょぼんと項垂れ、肩を落として階段を下りる。
なんとなく箸が進まなくて、味噌汁をご飯にじゃばっとかけ、ねこまんまにして掻っ込んだ。
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